物質・材料研究機構サイアロンユニットは、合成粉末試料中から取り出した10μm の極微小な粒子1個の情報からでも新しい蛍光体を開発でき、従来の開発スピードを大幅にアップする新手法を確立した。また、この手法で、新しい白色 LED 用蛍光体の開発にも成功した。

物質・材料研究機構、10μmの粒子1個から新しい白色 LED 用蛍光体を開発できる新手法
物質・材料研究機構、10μmの粒子1個から新しい白色 LED 用蛍光体を開発できる新手法

今回確立したのは、従来は分析が不可能だった微粒子1個の情報から新しい蛍光体を開発をする手法。新しい蛍光体を開発する際には、この蛍光体は粉末状態で生成されるが、多くの場合、この粉末一粒一粒が異なる組成を持っている。従来はその中でも均一で大きい粒子しか利用できなかった。

選び出した微粒子の蛍光体1個は、結晶構造、組成、発光特性を明らかにし、単一組成の粉末の大量合成に展開する。結晶構造解析には大型の単結晶が、量子効率測定には多量の粉末が必要だったが、装置の改良や独自の装置開発により、蛍光体1個でも測定できるようになった。

なお、この研究成果は、『Chemistry of Materials』誌に掲載予定で、ACS Editors' Choice Article に選ばれた。