近年、スマートフォンデバイスの普及により、様々なアプリ開発が進んでいる。そのため、当社でもネイティブアプリのプロモーションの需要は徐々に増加傾向にあり、検索連動型広告をはじめ、アドネットワーク、リワード広告などのプロモーションにおける問い合わせや、提案を実施する機会が増加している。

本コラムでは、Web マーケティング担当者の方に対し、ネイティブアプリのプロモーション手法と、その特徴について紹介したい。

1.検索連動型広告(Yahoo!プロモーション広告、Google アドワーズ広告)

Web サイト同様に、ネイティブアプリでも多くのケースで用いられる手法だ。他のプロモーションと比較しても CVR(コンバージョン率)が高く、インストール後も継続して使用されるアクティブ率が高いが、検索数に依存するため、獲得数が少ない、という特徴がある。

ここで注意が必要なのが、Web サイトにおけるプラットフォームと、ネイティブアプリでのプラットフォームが異なる点である。スマートフォンには、大きく分けて Android と iOS といういずれかの OS を搭載する端末が存在し、それぞれ、Google Play と App Store という異なるプラットフォームが存在する。そのため、全世界共通の Web サイトとは違い、各 OS 搭載端末を利用しているユーザーのみに広告を配信する必要がある。そこで誕生したのが、ネイティブアプリのプロモーション広告専用の広告配信プラットフォームだ。

ネイティブアプリのプロモーション広告専用プラットフォームで出稿するメリットは、大きく以下の2点である。

(1)各 OS を利用しているユーザーのみに配信(PC[タブレットは除く]には広告を表示しない)
(2)広告表示結果にアイコンを掲載(Google アドワーズのみ)

とりわけ、ユーザーとの正確なコミュニケーションという意味では、(1)を最低限担保する必要があるため、本機能を使わないと Android ユーザーに iOS のネイティブアプリの広告を表示しかねない。

2.アドネットワーク広告

アドネットワーク広告は、Web サイトにおけるプロモーションでも多くの企業に活用されており、代表例としては、GDN(Google ディスプレイネットワーク)・YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)がある。

ネイティブアプリでもアドネットワークを活用する企業が多く、その理由として、検索連動型広告同様にアクティブ率が高いユーザーの獲得が挙げられる。ただ、CVR は検索連動型広告よりも低く、CPI(Cost Per Install:1件あたりのインストール単価)は高い特徴がある。そのため、最適化するには、以下3つの運用ポイントを抑える必要がある。

(1)配信開始からターゲティングの粒度を細かくしすぎない
(2)配信開始後、一定の実績を見た上で、効果がよい広告枠をまとめた運用(ホワイトリスト)を実施する
(3)クリエイティブ(バナー)の種類を複数用意する&一定の頻度で差し替える

(1)は、成果を追い求めるがゆえに、配信開始前からターゲティングの粒度を細かくして運用するケースがあるが、ターゲティングの粒度を細かくすると、それだけコンバージョン数データが溜まるまでが遅くなるため、(2)の運用を開始するまで時間がかかり、最終的には、最適化するために多くの時間を要してしまうためだ。

また(3)は、アドネットワーク自体のインプレッション(広告表示回数)が多く、ユーザーへの接触頻度が高いため、同一のクリエイティブを同じユーザーに見せるのではなく、あらかじめ数種類のクリエイティブを用意する必要がある。その際に、同じようなクリエイティブではなく、キャッチコピーやキャラクター(人物)に変化を加え、何のクリエイティブのユーザーがアクションを起こしやすいかというところまで検証し、数字のよかったクリエイティブを中心に、マイナーチェンジ(背景色やボタン色)を繰り返し行うことで、勝ちパターンを作ることが可能だ。

(1)〜(3)は、アドネットワークを運用する上で最低限、抑えておくべきポイントである。

3.リワード広告

ネイティブアプリをリリースする際や、多くのユーザーにインストールを促したいときに使用するプロモーションである。

特徴として、CPI が安価で、すでに決まっている CPI で広告配信を実施するため、予算に対してどの程度の CV(コンバージョン)が見込めるかという計算ができ、大量のユーザーが獲得可能になる。ただ、ユーザーにインセンティブ(ポイントなど)を与えてインストールを促しており、インストール後のアクティブ率が低いのと、本来インストールするユーザーとは親和性が低いため、レビューが低くなりがちなデメリットがある。

では、何故、インストール後のアクティブ率が低いにも関わらず、リワード広告を実施する必要があるのかを説明しよう。その理由は、ユーザーが普段どのような経路でアプリをダウンロードするかという話に繋がり、リワード広告が、その経路に間接的に影響しているから、といえるだろう。

AppBank(※)の調べによると、iOS ユーザーがどうやって新しいアプリを見つけているかについて、App Store を見ていて(ランキング、おすすめなど)、という回答が、73%を占める結果となっている。つまり、4分の3のユーザーは、App Store のランキングやおすすめを閲覧しているということだ。

では、どうすれば、4分の3のユーザーにコミュニケーションが可能になるだろうか。ランキングが上位に入れば入るほど、そのネイティブアプリを見る機会が増加するため、コミュニケーション頻度は増加することになる。さらにインストール数の拡大が1つの要素(各ストアのランキングを決定するロジックは異なる)になっているため、ランキングを上げたいときにリワード広告を使用するケースが多い。

ただし、各ストアは本当によいネイティブアプリがランキングに反映するのを望んでおり、リワード広告でランキングが変動しにくいような順位変動ロジックを実際に組み込み始めているため、その点において注意が必要な施策でもある。

以上、ネイティブアプリのプロモーションを実施する上で、主な3つの広告について、その特徴や運用ポイントを紹介してきたが、ここ最近では、上記で紹介した以外のプロモーション手法も多く誕生しており、日々進化している印象がある。結局のところ、そのプロモーション手法がネイティブアプリに合う合わないというのは、実際にやってみないと分からないところが大きい。だからこそ失敗成功に限らず色々な手法を試し、検証が可能な設計をプロモーション手法に組み込みたい。

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執筆:株式会社アイレップ 第2コミュニケーション本部 大熊拓郎
記事提供:アイレップ