米国メディア The Wall Street Journal(WSJ)は5月13日、「Red Hat Plays Hardball on OpenStack Software」と題する記事を掲載した。記事では、Red Hat 以外の OpenStack ディストリビューションを選択した Red Hat Enterprise Linux 顧客は、Red Hat によるサポートを受けられなくなるとしている。

だが、Red Hat はこれを否定した。Red Hat の Paul Cormier 氏は、Blog への投稿で次のように反論している。

「競合他社は、Red Hat のオープンソースは“クローズドオープンソース”だとする FUD を広めている。これは、恐ろしい戦略だ。

≪中略≫

はっきりしておくが、顧客は Red Hat Enterprise Linux(RHEL)上で、あらゆる OpenStack ディストリビューションをデプロイして使用することができる。RHEL サブスクリプションによるサポートを受けるにあたって、Red Hat の OpenStack テクノロジーを使用しなければならないなどの制限は一切ない」

Red Hat は5月14日、米国アトランタで開催中の OpenStack Summit で、「Red Hat Evening Event」というパーティを主催した。パーティの会場に選ばれたのは、World of Coca-Cola。ご存じの通り、このビルには、大きな秘密が隠されている。

 
秘密とは、コカコーラのレシピのことだ。コカコーラのレシピは、World of Coca-Cola の金庫に保管されている。

競合他社は、Red Hat のオープンソースは“クローズドオープンソース”だとする FUD を広めている
コカコーラ レシピを保管する金庫

100年を超える長きに渡り、コカコーラは秘密のレシピを守ってきた。彼らは、いまも秘密が守られ続けていることを誇りに感じている。

コカコーラは、世界で最も有名で価値のあるブランドの1つだ。だがもし、この一世紀あまりの間に、秘密のレシピが盗まれていたとしたらどうだろう? コカコーラは現在の地位にいなかったかもしれない。

これに対し、Red Hat は、秘密のレシピを持たない企業だ。そのソフトウェアのコード(レシピ)は、すべて公開されており、誰でも使用することができる。だがそれにも関わらず、Red Hat は年間10億ドル以上の売上を生み出している。

OpenStack 市場には、大きな可能性が秘められている。そのような市場では、両立しない利害関係も発生するだろう。当然のことだが、OpenStack の稼働には OS が必要なのだ。OpenStack を提供する OS (Linux)ベンダーは、互いに競合関係を持つことになる。相手を蹴落とそうとするものがいてもおかしくはない。

だが Red Hat が、競合企業版 OpenStack を選択した RHEL 顧客にサポートを提供しないというのは、まったく理に合わない行為だ。RHEL 顧客が サードパーティ版の OpenStack を選択した場合でも、Red Hat は RHEL のサポートで収益を上げることができるのだから。

Cormier 氏は次のように述べている。

「Red Hat は、すべてのクラウドはオープンであるべきで、プロプライエタリなコードによるロックインをするべきではないと考えている」

これが Red Hat の姿勢だ。コカコーラのレシピと違い、ここには秘密は一切存在していない。

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、eWeek および InternetNews.com の主任編集者。