富士通は4月10日、子会社であるニフティを売却する方向と報じられたことに対し、「『売却する手続きに入った』事実はありません」とのコメントを発表した。ただし「様々な可能性を検討しております」としており、何らかの対応をとるとみられる。

朝日新聞の報道によると、「(ニフティを)売却する手続きに入ったことが分かった。すでに国内の投資ファンドなどに打診を始めている」という。売却理由として、同紙は「会員が減り業績が低迷する個人向けサービスから撤退し、企業向けの IT システム事業に力を入れていく」ことを挙げており、ISP サービスの不振が要因とみられる。

ニフティは、1987年から2006年にかけて提供したパソコン通信サービス「NIFTY-Serve(途中でサービス名を「NIFTY SERVE」に変更)」で知られる企業。インターネットが一般消費者に普及してからは、ISP 事業を開始したほか、最近では Web サービスとクラウドといった事業も手がけている。2013年第2四半期(2013年7月から9月期)の決算情報(PDF 文書)によると、発行済み株式総数は2,278万株で、富士通の所有比率は66.59%。

なお、パソコンを使う人の割合はスマートフォン利用者の増加にともない減少している。消費者がニフティのような家庭向け ISP を必要としないスマートフォンに流れ、パソコンから離れつつあり、ISP 事業は全体的に伸び悩んでいる状態だ。最近では、日本電気(NEC)が ISP 子会社の NEC ビッグローブ(BIGLOBE)を売却した例もある。