米国 Facebook は3月25日、予想外の動きにでた。同社は「Oculus VR」をおよそ19億ドルで買収。仮想現実ヘッドセットビジネスへと乗り出したのだ。

カリフォルニア州メンローパークに本拠を置くソーシャルネットワーク企業は Oculus VR に対し、4億ドルの現金と同社株式2,310万株を支払うことで合意した。Facebook の株価は3月25日の終値で64.89ドル。2,310万株は、15億ドルに相当する。

Facebook の意外な買収 ― 仮想現実ヘッドセットメーカーの「Oculus VR」を20億ドルで
Oculus VR による VR ヘッドセット「Rift」

Oculus VR はカリフォルニア州アーバインに本拠を置く、3D ゲーム向け「Rift」ヘッドセットを製造するメーカー。同社は2012年、Palmer Luckey 氏によって創業された。

kickstarter による資金調達

Oculus VR は、最初の製品開発で kickstarter によるキャンペーンを活用した。Valve、Epic Games、Unity といった大手ゲーム企業のサポートにも支えられ、kickstarter キャンペーンは成功。240万ドルを超える資金調達に成功している。

Oculus VR による kickstarter キャンペーンは2012年8月にスタート。開始からわずか4時間で、目標金額だった25万ドルの調達に成功した。開始2日後には100万ドルを超え、最終的な調達額は、243万7,429ドルに達している。

Facebook CEO である Mark Zuckerberg 氏による声明

Facebook CEO である Mark Zuckerberg 氏は、メディアに向けた声明で次のように述べている。

「Facebook の使命は、世界をよりオープンで繋がったものにすることだ。ここ数年、我々はこの使命の実現に向け、モバイルアプリの構築にフォーカスしていた。モバイル分野にはやらなければならないことがまだ多く残されているが、我々は利用者により便利で、エンターテインメント性の高い、個人体験を提供できる次世代プラットフォームにフォーカスを移すべき時が来たと感じている」

「Rift」ヘッドセットを装着すれば、まるで別の場所にいるような体験を得られる

「そこに Oculus が登場した。Oculus は『Oculus Rift』のような仮想現実技術を構築している。Rift ヘッドセットを装着すれば、ゲーム、映画、離れた場所など、コンピュータが生成した環境を実体験のように感じることが可能になる。この技術の素晴らしい点は、他の場所にいる他の人と、まるで実際に一緒にいるように感じられることだ。Rift を試した人は、これまで経験してきた仮想現実とはまったく違うものだと述べている」

これまでの仮想現実とは次元の違う体験が可能に
これまでの仮想現実とは次元の違う体験が可能に

Zuckerberg 氏は、Oculus は当面は Facebook とは独立した組織として運営され、ゲームにフォーカスすると述べた。だが、将来的には Oculus 技術の Facebook への取込みも考えているようだ。

「これはまったく新しいコミュニケーションプラットフォームだ。Rift による“別の場所にいるような”感覚を利用すれば、無限の空間と人々との体験を共有可能になる。これまでのように自分の体験を友だちとオンラインで共有するだけではなく、一緒に体験や冒険ができるようになる」