昨今、多くの広告主が実施している“リターゲティング広告”。Cookie による訪問履歴の把握を利用した手法で、自社の Web サイトに訪問済みのユーザーにだけ広告を表示することができ、商品やサービスの検討期間にあるユーザーに対し、継続的なアプローチができるため、ディスプレイ広告の中でも人気のあるメニューだ。

しかし最近、リターゲティングの成果が開始当初よりも下がっている印象はないだろうか?

リターゲティング広告を出稿する広告主が増え、検索キーワードと同じように、配信対象ユーザーへの出稿コストも上がり続けている。ユーザーの興味・関心も幅広く多岐に渡るため、CPC(クリック単価)の相場が大きく異なる広告主と競合することも、リターゲティングではままあることだ。リターゲティング広告を取り巻くこうした状況下では、いかにモチベーションの高いユーザーを効率的に追跡するかがポイントとなる。

では、どうしたらそのようなユーザーを見つけることができるのか。第三者配信や Web 解析データを利用した、より高度なリターゲティング設計の例を挙げてみるとしよう。

■Google Analytics や Yahoo! タグマネージャーによるセグメンテーション

Web 解析ツールやタグマネージメント機能を使って、サイト内行動からユーザーのモチベーションを推測する。

サイト内行動のパターンをセグメント化してリターゲティングでアプローチできる。例えば、過去10回以上同じページを訪れているユーザーや、商品詳細ページの滞在時間が1分を超えているユーザーなど、サイト内行動でモチベーションが高いと想定されるパターンは数多くある。「Web サイトを訪れた」というだけのセグメントよりは、よりコンバージョンの期待が高まるユーザーとなり、リターゲティングの精度は格段に上がるだろう。

また、リターゲティングを強化するにあたり、もうひとつ重要な要素がある。それはサイト内の“コンテンツ”である。

サイト内の行動パターンにより、ユーザーのモチベーションを推測することは前述のとおりだが、集客を図ろうとしている対象のサイト内コンテンツは、果たしてモチベーションを想定できる構成になっているだろうか? また、ユーザーの行動を計測できる環境はもちろんのこと、想定されるユーザーのニーズに応えられる情報は揃っているだろうか?

商品の機能詳細から価格一覧への導線や、関連商品のレコメンドなど、ちょっとした工夫やサイト内のリンク設置などで、モチベーションのセグメントはより細かく設定できるようになる。同じページを何回も訪問しているユーザーに、同じページを見せ続けるのか、あるいは全く違うページを見せるのか。価格一覧に一定期間滞在したユーザーに対し、キャンペーン告知もできるわけだ。サイト内のキラーコンテンツ、キラーパスが発見できれば、当然リターゲティングのランディング先としても有効なコンテンツとなってゆくだろう。

<リターゲティング例>

モデル       : EC にて複数の靴の商品詳細ページを回遊したユーザー
想定モチベーション : 靴の購入を検討している
リターゲティング戦略: 一番興味を持ったであろう商品の詳細ページへ再訪させる
リターゲティング条件: 60秒以上滞在したページ、またはページ下部まで閲覧したユーザーへ再訪を促す、など

真にモチベーションの高いユーザーを探す技術が、今、大きく変革している。精度の高いリターゲティングを意識し、現在の広告戦略や Web サイトの構成を見直すことができれば、成果拡大の一端に繋がることは間違いないだろう。

執筆:株式会社アイレップ 第3コミュニケーション本部 前田直哉
記事提供:アイレップ