今回は、発生頻度は高くないけれどもいざ問題が発生した時に対応に苦慮しそうな話題を集めて、問題とその解決方法について述べていく。今回は「Google に連絡する」をテーマの中心に添えている。

SEO 相談 Google に通報して問題解決してみよう
 

●トラブル(1) リーチを広げるために他の Web サイトへも記事掲載を開始したら、本家(自分の Web サイト)が検索結果に表示されなくなった

例えば個人の著名ブロガーが、自分の Web サイト(サイトA)だけでなく、大手メディア(サイトB)にも記事掲載を開始した結果、自然検索結果にサイトBは表示されるけれども、サイトAが全く表示されない、あるいはサイトAは常に11位(自然検索結果2ページ目の一番上)に固定表示されてしまう、といった問題だ。

※ 配信先 Web サイトが2位、自分の Web サイトが5位といった具合に、両方検索結果に表示されるけれども、順位が相手よりも劣る、といったケースは、本コラムでは論じない。個人的に、それは改善されるべき問題だとは捉えていない。

特に、Google の検索アルゴリズムにおける評価において、サイトAとサイトBが著しく乖離している(サイトBの評価が著しく高い)場合に発生しやすい傾向があるが、様々な変数が絡むため、同じ配信スキーム、同じ条件下においても常に問題が発生するわけではない。

こうした事情から、本件は先述した問題が発生した場合に、以下に述べる対処法で行っていない事柄があれば、試してみるという程度のものと認識して頂きたい。現実に何ら不都合がないのであれば、サイト管理者が積極的に対処すべき事項ではない。

さて、不幸にも問題が発生した場合の対処法は、次の通りである。

大まかな方針としては『自分の Web サイトがオリジナル(≒検索結果に優先表示されるべき、執筆者の Web サイトである)ことを Google に認識してもらうよう、シグナル(手がかり=信号)を発信する』ことだ。「通報」ではないが、Google に合図を送ることで、オリジナルのコンテンツを判定する手助けをしよう。

シグナルを発信するとは、例えば次のような方法が挙げられる。

1. Web ページに更新(公開)日時を明記する
2. ping を送信する
3. RSS フィードを配信する
4. Google+ や Twitter に公開直後に投稿する
5. 配信先サイトから、本家(自分の)Web サイトにリンクを返してもらう
(例:記事提供元 ○○○○ など。nofollow の有無は関係ない)

配信先サイトよりも自分の Web サイトの記事を先にインターネット上に流通させれば良いので、単純に配信時間をずらす(自然検索結果に優先的に表示させたい方のページを先に公開する)という方法でも良い。

上記の方法で改善されない場合は、次のような理由が考えられる。

理由(1):可読性の問題:相手(配信先)の Web サイトと自分の Web サイトを比較した場合に、前者の検索エンジンによる可読性が著しく高い(クローラビリティやアクセシビリティが優れている)、または、自分の Web サイトの可読性が著しく低い場合

理由(2):評価の問題:検索エンジンが計算したサイト評価において、配信先サイトが優れている場合

理由(3):専門性の問題:配信された記事内容が扱う分野や話題は、自分の Web サイトよりも配信先サイトの方が相応しいと判断された場合

最近観察される傾向として上記3つを挙げたが、後者2つは有効な対処法はないことをあらかじめお断りした上で解説する。

1番目に挙げた可読性問題は、中途半端な SEO の知識で自分の Web サイトを最適化した結果、かえってアクセシビリティが低くなって、検索エンジンに相対的に評価されにくい Web サイトを作ってしまうことが多い、個人や中小企業の事例においてよく見られる問題である。

例えば、「タイトルには重要なキーワードを必ず入れましょう」「単純にサイト名を記すのではなくキーワードを枕詞に入れましょう」といった類いのアドバイスをよく SEO 関連の記事で見かけるのであるが、こうした知識を元に、次のようなタイトルを入れてしまうことがある。

例 引越業の株式会社マチコという会社が存在すると仮定する

【記事タイトルA】| 引越、引越相談や引越見積もりなら株式会社マチコへ 引越相談
【記事タイトルB】| 引越、引越相談や引越見積もりなら株式会社マチコへ 引越相談
【記事タイトルC】| 引越、引越相談や引越見積もりなら株式会社マチコへ 引越相談


といった具合に、全ての記事に、タイトルと同等かむしろ長いサイト ID をタイトルに入れているようなケース。逆に、自分の Web サイトにはユニークなタイトルが入っていないケースもある。

他にも「関連記事を表示する」「Twitter での反応」「今週のランキング」といった無駄に多いウィジェットを記事前後に延々と並べている、記事がたくさん掲載されているのに、過去のアーカイブになるほど巡回性が下がる(クロールしづらい)など様々な要因が考えられるが、SEO の観点からちょっとやり過ぎな点がないかざっと見直しをしてみると、解決の糸口が見つかるかもしれない。

2つ目に挙げた理由は、例えば配信先サイトが Yahoo! JAPAN、自分の Web サイトは非常に小さな Web サイトの場合。こうした理由で検索結果に全く表示されない場合は、有効な対処法はあまりないので、同じ記事を掲載しない、相手先には第1段落や要約だけ配信する、といった方法を選ぼう。

3つ目は、最近1年間で時折観察されている。例えば、配信先サイトがグルメ専門サイト、自分の Web サイトが雑多な話題を扱うブログだった場合、グルメ関連記事を配信した時は相手先サイトは検索結果に出るけれども、自分の Web サイトは表示されない、順位が上がらないといった具合だ。個々の Web サイトの分野や専門性が考慮されている可能性が考えられるが、本件のような観点からの分析データはまだ十分ではないので、参考程度にとどめておいて欲しい(また後日、何かの機会に取り上げる予定だ)。

●トラブル(2) 自分の書いた記事が勝手に他の Web サイトに無断転載されていた

無断コピーされた Web サイトが検索結果の上位に表示されてしまい、逆に自分の Web サイトが表示されないケース。現象自体はトラブル(1)と同じであるが、本件は著作権侵害なので、その前提で対処しよう。

その無断コピーしている Web サイトに連絡して削除するように要求することはもちろんだが、Google に通報して自然検索結果に表示されないよう削除要求することもできる。

Google からコンテンツを削除する

著作権侵害であれば、24時間程度で対応してもらえる。

UGC サイト(無料ブログ/ホームページサービスなど、ユーザ参加・主体型の Web サイト)での著作権侵害であれば、サイト運営者に通報することで逮捕してもらえる。例えば NAVER まとめに無断転載されたのであれば、まとめページの右下付近にある「内容について運営スタッフに連絡」というリンクを辿って著作権侵害申告を行えば良い。各ブログ運営サイトも権利侵害に関するお問い合わせフォームを用意しているので、状況に応じて連絡すると良いだろう。

NAVER まとめにおける権利侵害申告について

FC2 コンテンツの権利侵害に関する申立て

Ameba ヘルプ 権利者向け窓口

●トラブル(3) 通販サイトを丸ごとコピーされた Web サイトが Google 検索結果に表示されている。フィッシングサイトみたいだ

これまたコピーであるがフィッシングサイトが検索結果の上位に表示されてしまっている場合。これもまた犯罪であるのでその前提で対処するとともに、ユーザーを守るための対応をしよう。

Google はフィッシングサイトを発見した場合の通報窓口を用意している。

Google フィッシング詐欺の報告
http://www.google.com/safebrowsing/report_phish/?hl=ja
https://www.google.com/webmasters/tools/spamreport?hl=ja&pli=1

JPCERT コーディネーションセンター インシデントの報告

フィッシング対策協議会

フィッシング110番(警視庁)

●トラブル(4) 嫌がらせ?誰かが自分の Web サイトに大量のおかしなリンクを張ってきた

※ 以下、PageRank は Google ツールバーで確認できる値のことを指して述べる

(1) Web サイトを開設した直後である、(2) 公的機関の Web サイトではない、 PageRank 値が低い、(3) 一定の権威性や信頼性を得ているであろう Web サイトからのリンクが一切ない、(4) 更新性が低い、(5) スパム行為が横行する話題を扱っている(例 ブランドバッグとか)といったいくつかの条件を満たした状態で、大量にスパムリンクを張り付けた(つけられた)場合に一時的に順位上昇した後に大幅に順位下落する場合がある※。

※「第三者の Web サイトの順位下落を目的に大量に低品質なリンクを張り付けること」を指して Negative SEO(逆 SEO)という言葉があるが、その言葉は、リンク発信主体と標的サイトとの特別な関係性を表現しているにすぎない。つまり、「悪意ある第三者が特定の Web サイトにリンクを張る」ことも、「サイト運営者が悪質な SEO 業者に依頼したがスパムリンクを張られた」ことも、過程は異なれど、発生している事象そのものは同じである。それ故に、いわゆる Negative SEO が成立してしまう場合が起こりうる。

SEO の継続運用を通じた改善施策を考えていく上で、参照元リンクやそのページのコンテンツ分析は必要不可欠であり、通常業務の中でリンク監査を行っておくことは望ましい。いつ、どんなコンテンツを公開した時に、どんな性質・属性のユーザーからどんな文脈で参照リンクが張られたのかを分析することで、リンクビルディングの施策改善につながるからだ。一方で、不意に何らかの理由で好ましくないリンクが張られた場合に、将来リスクを排除できるよう対応しても良いだろう。

Google に通報して「リンクを否認する」ことで、無視してもらうことが可能だ。

リンクを否認する(Google ヘルプ)

リンクの否認ツール

執筆:株式会社アイレップ 取締役 SEM 総合研究所所長 渡辺隆広
記事提供:アイレップ