米国 Red Hat は、CentOS プロジェクトを Red Hat の支援プロジェクトにすると発表した。CentOS とは、Red Hat 最大の収益源である Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のクローン OS。CentOS コミュニティはこのクローンを、利用者に無償で提供している。

Red Hat が CentOS を支援:「CentOS が“裸の RHEL”だという認識は間違いだ」
CentOS は RHEL をそっくりそのままコピーし、Red Hat のコピーライトと商標を削除したものだと考えられていた。だが、Red Hat CTO である Brian Stevens 氏が eWeek に語ったところによれば、その見方は必ずしも正しくないようだ。

「CentOS が、裸の RHEL だという認識は間違いだ。商標やサポートの他にも、いくつもの違いがある」

Stevens 氏は、RHEL と CentOS ではビルド環境、品質保証プロセスが異なると述べた。エディションによっては、カーネルやオープンソースコンポーネントが異なることもあるという。また、ハードウェア認証、ソフトウェア認証、そして政府による認証も、両者の間では大きく異なっている。Stevens 氏は、次のように説明する。

「今回のパートナーシップは、“新しい” CentOS プロジェクトを構築するためのものだ。Red Hat は、CentOS を単なる OS から、OpenStack、SDN、ビッグデータに対応できるものへと拡張するため、コミュニティを手助けする」

Red Hat は、CentOS に対して商用サポートを提供するわけではない。同社は企業がクリティカルな業務で CentOS を使用することを推奨していない。Red Hat が顧客に対して、サブスクリプションベースの RHEL を推していく立場に変化はないということだ。では、Red Hat が CentOS と提携するメリットはどこにあるのか?

「CentOS により、クラウドやビッグデータが世界のより多くの場所で普及していくチャンスが広がる。初期段階のテスト採用から本格採用へと推移し、さらにはミッションクリティカルな分野での採用へと企業のニーズが変化していったとき、Red Hat は安定性、サポート、強力なエコシステム、予測可能なライフサイクルを持つ我々の企業向け製品を提供する」

ここ数年、Red Hat 経営陣は「Free to Paid(無償から有償へ)」と呼ばれるセールスプロモーションを展開してきた。Red Hat の営業部隊は無償版 Linux のユーザーを、RHEL のサブスクライバーへと転換してきたのだ。

「オープンソースモデルのメリットの1つに、無償であるため、採用障壁が低いというものがあげられる。無償のコミュニティ版によって企業による採用とイノベーションを加速させることで、Red Hat がサブスクリプションタイプの有償製品を販売する機会を生み出すことができる」

「Free to Paid(無償から有償へ)」戦略の実施においては、企業が採用した無償のコミュニティ版 Linux と RHEL がかけ離れたものであっては困る。CentOS の開発に Red Hat が関わることで無償版の Linux を標準化し、その後のアップグレードの煩雑さを削減できると Stevens 氏は述べた。

CentOS は RHEL のもっとも人気の高いクローン OS の1つではあるが、これが唯一というわけではない。RHEL クローンには、Scientific Linux や Oracle Linux も存在する。Red Hat によれば、Red Hat が CentoOS プロジェクトに直接参加することで、CentOS を他の RHEL クローンよりも魅力的な選択肢にするという狙いもあるという。

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、eWeek および InternetNews.com の主任編集者。