Web 解析データを使った広告の施策展開活用については、11月19日に掲載された過去コラムのとおりだが、Web サイトの中に入ってからも、ユーザーはランディングページの中の様ざまな情報を閲覧し、検討を繰り返し、購買を決定するかどうかを悩んでいる。

いかに多く事前に設定したコンバージョン数(獲得数)の目標に近づけることができるか、企業はクリエイティブの A/B テストによる効果検証を繰り返し、成果改善を実施している。キャッチコピーの違いやメインビジュアルの変更など、パーツごとの A/B テストであれば、何がコンバージョンに影響したか安易に判断することができるが、構成やデザインが大きく異なるランディングページの場合、結果として勝ち負けが出たとしても、何が成果の要因となったかわからず、思い込みや主観で判断されてしまい、本来行うべき検証とは程遠い、意味を持たない A/B テストとなるケースがある。

そうならぬよう、結果の数字だけではなく、ユーザーがランディングページに訪れてからどのコンテンツを閲覧し離脱に繋がったか、あるいは理解をして決断に至ったか、ランディングページ内部のユーザーの動きを見ることで、ランディングページの評価を行うことができる。

それを可能としたのが、ランディングユーザー内の“ユーザー行動解析ツール”である。例えば「リードスコープ Pro」は、これまでのアクセス解析ツールではわからない、以下のようなものを“見える化”できる(*1)。

・訪問者がランディングページ内部のどのコンテンツを何回見たか
・コンバージョンした訪問者はどこに注目したか
・決定の決め手となったのはどこか

ページに流入したユーザーの行動を浮き彫りにすることで、より具体的な改善案を導くことができるのだ。

A/B テストの結果、勝者となったランディングページの成果に繋がった箇所はどこか、ボトルネックはどこか、かつ、負けたランディングページにおいても、コンテンツとして評価できるポイントと結果に繋がらなかった点を抽出し、次の施策の仮説を組立てることで、確度の高い改善施策を実施することができる。

では、集客チャネル別の訪問ユーザーのランディングページ内行動にどのような違いがあったか見てみよう。検索連動型広告のリード獲得のためのランディングページ26ページの平均値から抽出したデータである。

ランディングページの“見える化”でユーザー心理の仮説を立てる!
図1

集客チャネルによってユーザーがランディングページに求める情報が異なることで、長くじっくり読むコンテンツや離脱のきっかけ、意思決定に至ったコンテンツに差が出たと考えられる。コンテンツ連動型広告の場合、商品やサービスに対する情報取得意欲が低く、訪問してすぐに表示されるファーストビュー(ページに訪れて一番最初に表示され目に入る画面)で読むに値する内容かどうかを判断されるため、ファーストビュー離脱率が高く、自分に必要な情報であるか見極めるため流し読みをしているように読み取れる。

一方、検索連動型広告とリターゲティング広告では、情報取得意欲が高いことが内部コンテンツの滞在時間が長い理由であると考えられる。こういったデータから集客チャネル別のユーザーの心理状態が異なり、それぞれに適した訴求や情報伝達をランディングページ内で行うことが必要であることがわかる。

検索連動型広告においても、自社名やブランド名、Web サイト名、独自の商品名、サービス名などのブランドキーワードで検索するユーザーと、一般的なキーワードで検索するユーザーにおいても、欲しい情報が異なることがデータから読み取れる。

図2
図2

ブランドキーワードで流入したユーザーの多くは、ファーストビューの内容を見て決めてとなることが多い。対して、一般キーワードで流入したユーザーはランディングページ中部のコンテンツをじっくりと見る傾向があり、途中で興味がないコンテンツが表示された途端に離脱される傾向が見られた。

また、検索媒体によってもユーザーのランディングページ内の閲覧行動に差が出た。

図3
図3

Yahoo! プロモーション広告 スポンサードサーチでは、ページ全体の滞在時間が長く、コンテンツをじっくりと読まれていることがわかる。Google アドワーズ広告においては、ファーストビュー直後に大きく離脱する傾向があり、ファーストビューの訴求情報によって意思決定が左右されているようだ。

Yahoo! JAPAN利用ユーザーは、ランディングページの中をじっくりと読んで情報を取得しながら比較検討を行っているが、Google 利用ユーザーは自分が求めている情報と異なる内容であることがわかると、以降のコンテンツを閲覧せずに離脱している。

これは Yahoo! JAPAN と Google を主に利用しているユーザーの特徴が異なることが影響していると考えられる。Yahoo! JAPAN 利用ユーザーはインターネットリテラシーが低め、Google 利用ユーザーはネットリテラシーが高い傾向にあることも影響していると考えられる(*2)。

このように、集客チャネル、キーワード、利用媒体に対しユーザーの情報取得の段階が異なり、見ているポイントや決定打となる内容も異なる。ランディングページ訪問ユーザーの分析のひとつとしてこういったランディングページ内部のユーザー行動データを活用し、訪問者の興味を喚起させゴールまで導く仮説設計を行うことを推奨したい。


*1 出典元:ページ内ユーザー行動解析ツールリードスコープPro 
*2 出典元:株式会社スパイア「Google ・Yahoo! JAPAN ユーザー調査」2011/7/14

執筆:株式会社アイレップ アドパフォーマンス支援本部 鷹觜景子
記事提供:アイレップ