「時は金なり」という言葉が正しいとするならば、Red Hat の最新のリリースはとても価値あるものということになる。

Red Hat、RHEL 6.5 をリリース ― PTP、プライベート認証局、コンテナ型仮想化「Docker」
米国 Red Hat は11月21日、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)6.5 をリリースした。これは、Red Hat によるフラグシッププラットフォームに対する2013年2度目のメジャーアップデートだ。前バージョンの RHEL 6.4 は、今年2月にリリースされた。

RHEL 6.5 の重要な新機能としては、高精度な同期を行う規格「Precision Time Protocol(PTP)」のサポートがあげられる。PTP は、金融サービスなどで非常に重要な、サブマイクロ秒レベルでの正確さでの時刻同期性能を実現するものだ。ニューヨーク証券取引所で Red Hat の技術が採用されて以降、金融サービスは Red Hat にとって非常に重要な市場となった。

Red Hat の主任プロダクトマネージャである Siddharth Nagar 氏は、eWeek に対し次のように説明した。

「従来の NTP に対する PTP のメリットは、様々なネットワークインターフェイスコントローラー(NIC)やネットワークスイッチでハードウェア的にサポートされている点にある。PTP は、これらサポートハードウェアで運用すると、サブマイクロ秒レベルの正確さを達成できる」

利用者の観点から見ると、PTP はより採用が困難な技術だ。RHEL 6.5 は、この高いハードルを下げるため、必要なソフトウェアとドキュメントを用意していると、Nagar 氏は述べた。

セキュリティ

RHEL 6.5 のセキュリティは、新たなセキュリティ認証(CA)システムにより、大きく前進した。

企業ユーザーは、企業独自の“プライベート” CA を利用していると、Nagar 氏は説明する。企業独自のプライベート CA では、Verisign のような公の認証局によるパブリック証明書ではなく、社内でのみ利用可能な証明書を発行することになる。

「今回の拡張以前には、プライベート CA を構築する統一的な機構が存在しなかった。このため、Firefox のような Web ブラウザやその他のサービスは、プライベート CA を基本的に信頼していた。RHEL 6.5 は、システム全般に渡った認証管理を可能にする新たな機構を提供している」

仮想化

RHEL 6.5 では仮想化機能も向上され、実行中のシステムで必要とされる仮想 CPU(vCPU) を動的に有効化/無効化できるようになった。この新たなサポートにより、仮想化ゲストに割り当てられるコンピューティングリソースを、スケールアップしたり、スケールダウンしたりする柔軟性な運用が可能になっている。

「RHEL 6.5 以前には、vCPU のホットプラグ機能はサポートされておらず、アクティブな仮想ゲストで vCPU を有効化/無効化することはできなかった」

RHEL 6.5 で Red Hat は、「Docker」コンテナ型仮想化技術の限定的サポートも開始する。コンテナ型は、従来のハイパーバイザ型よりも、より高い効率を持つ仮想化技術だ。

「Red Hat と Docker は協働し、Docker イメージを RHEL 6.5 で稼働可能にした。RHEL 6.5 は、Docker 向けに必要なサポートを OS 内部に持っている。だが、イメージを管理するには、利用者は Docker から直接追加ソフトウェアを入手する必要がある」

RHEL ユーザーが追加ソフトウェアを Docker から直接取得しなければならない理由は、Docker が RHEL が完全にはサポートしていない Linux Container(LXC)機能を利用しているためだ。だが、ソフトウェアがどこから提供されるにせよ、Docker コンテナが RHEL 6.5 上で動作することに違いはないと、Nagar 氏は述べている。

RHEL 6.5 は、RHEL 6.0 が2010年11月に最初にリリースされて以来、5番目となる節目のリリースだ。RHEL 6.5 は、クリティカルなビジネスアプリケーションにも対応するプラットフォームに成長した。

「今後は、安定性やスケーラビリティの向上ともバランスを取りつつ、新たなデプロイモデルにあわせたイノベーションにさらにフォーカスしていく。機能を拡張するだけでなく、OEM パートナーによる新たなハードウェアプラットフォームへの対応も継続する」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。