近年、自動入札ツールは数多く誕生しているものの、Google アドワーズ広告の自動入札機能は、媒体社ならではのユーザー行動・情報に基づいて入札調整を行うことができる点が他の自動入札ツールとは異なり、特長のひとつといえる。

本コラムでは、Google アドワーズ広告の自動入札機能について、特に「コンバージョン オプティマイザー」を中心に説明していきたい。

■Google アドワーズ広告 自動入札機能の種類

種類としては、現在リリースされている自動入札機能は以下4つに分類される。

1.コンバージョン オプティマイザー
2.ディスプレイ キャンペーン オプティマイザー
3.拡張クリック単価(拡張 CPC)
4.入札戦略(Bid Strategies)

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1.コンバージョン オプティマイザー

コンバージョン(獲得)につながる可能性の高いクリックを予測し、あらかじめ設定した顧客獲得単価(CPA)に基づいて獲得数を最大化できるよう、入札単価を自動調整する機能。コンバージョンに至る可能性の高いクリックほど入札単価を上げることで、効率よくコンバージョン数(CVs)を獲得することを目指す。指定した予算内で最も多くのコンバージョンを獲得する上で役立つといえる。

ただし、デバイス・時間・地域ごとにあらかじめ設定されている入札調整単価を無視するため、これらの入札単価調整を任意で設定している場合は、思わぬデバイスや思わぬ時間帯にも配信される可能性があるということには注意が必要だ。

コンバージョンオプティマイザーは「目標コンバージョン単価」「上限コンバージョン単価」の2種類に分かれており、CPA を必ず一定金額以下に収めたい場合は「上限コンバージョン単価」、平均的に CPA を調整したい場合は「目標コンバージョン単価」として使い分ける。
※「上限コンバージョン単価」は2014年以降設定不可予定。

2.ディスプレイ キャンペーン オプティマイザー

予算内でのコンバージョン数を最大化するため、配信面と入札単価調整を自動で行う機能。ターゲット設定と単価設定の両方を自動的に最適化し、ディスプレイ ネットワーク キャンペーンで広告グループのコンバージョン数を増やすのに役立つ。

3.拡張クリック単価(拡張 CPC)
コンバージョンに至る可能性の高いクリックに対し、入札単価を最大30%引き上げる入札機能。反対に、コンバージョンを獲得しづらいクリックに対しては自動で入札を引き下げるため、限られた予算を有効に利用することができる。また、拡張 CPC ではあらかじめ入札単価の設定が必要なので、ある程度手動でのハンドリングが可能となる。

4.入札戦略(Bid Strategies)
上記1、2、3が個別キャンペーンについて設定するものであるのに対し、入札戦略(Bid Strategies)は複数キャンペーンに対して同時に自動入札機能を設定する。設定できる機能としては、拡張 CPC、検索ページの目標掲載位置、目標コンバージョン単価、クリック数最大化に加え、今後 ROAS(※)最大化についてもローンチが予定されている。

※ROAS…広告の費用対効果を表す指標のひとつ。広告費用1円あたりに対して得られた売上金額を意味する。

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■使用上の注意

自動入札機能はすべてのキャンペーンに利用できるわけではなく、適用範囲が設けられているので注意していただきたい。主な適用制限には、以下のようなものが挙げられる。

・AdWordsコンバージョントラッキングを使用している
・コンバージョンオプティマイザーは過去30日間のコンバージョン数が15件以上必要

さらに業種によってはコンバージョンの計測方法を「クリックスルーコンバージョン」から「総クリックスルーコンバージョン」に変更する必要がある。こちらは何度もコンバージョンが発生するモデル(EC サイトなど)が「総クリックスルーコンバージョン」、コンバージョンが1回のみのモデル(会員登録など)は初期設定の「クリックスルーコンバージョン」の採用が適しているといえるだろう。

コンバージョンのカウント方式の変更は、管理画面の「ツールと分析」タブ内「コンバージョントラッキング」から行うことができる。自動化機能ではコンバージョンの総数が多いほど学習精度の向上が期待できるため、特別な事情がなければ「総クリックスルーコンバージョン」の採用をおすすめする。

また、Google が推奨するコンバージョン単価は「設定」タブ内で確認することができるが、このコンバージョン単価を採用しても、必ずその金額以内に収まるわけではないことにも注意が必要だ。設定したコンバージョン単価と実際の CPA に大きな乖離が見られる場合は、目標コンバージョン単価を上下させることで成果に変動が出るかどうかを確認し、最適なコンバージョン単価を見つけよう。具体的には、目標コンバージョン単価を実際の CPA が大きく下回る場合、目標コンバージョン単価を上昇させることで CVs 獲得数の増加を図る。逆に目標コンバージョン単価を実際の CPA が大きく上回る場合は目標コンバージョン単価の低下によりCPA改善を目指す調整を実施する。

もう一点、すでにアカウントに対して自動入札ツールを導入している場合も要注意だ。既存の広告の出稿実績を元に入札単価を調整する自動入札ツールに対して、コンバージョンオプティマイザーでは、管理画面やレポートで取得できない多くの要素を元に1オークションごとの入札単価を決定するため、入札ロジックが異なる両者を同時に導入すると双方のルールが干渉しあう結果となってしまうため、導入は行わない。仮に自動入札ツールを使用している状態で、Google の自動入札機能の使用を希望する場合は、上述の「拡張 CPC」を使用することで対応する。

■成果確認について

便利な自動入札機能であるが、もちろん完璧ではない。そのため適用前後では成果確認を行う必要がある。例えば、適用後にコンバージョン率(CVR)が上昇していても配信量が大きく抑制されたため、CVs の獲得件数としては適用前のほうが多いというケースや CVs 件数は伸びていても CPA は上昇しているというケースが確認される。

そのため、一定期間経過後に適用期間でのインプレッション(IMP)、コスト、CVs、CVR、CPA などについての確認は必須である。成果が好調である場合は自動入札機能の使用を継続し、そうでなければ状況に合わせて調整を加える。

コンバージョン オプティマイザーを利用している場合で、適用後から大きく IMP が低下していることが確認された際はコンバージョン単価の設定が低すぎることが想定されるため、コンバージョン単価の設定を調整することで IMP ボリュームを調整することができる。獲得単価の上昇が顕著な場合は、コンバージョン単価を低下させることで、獲得単価が目標金額以内に収まるよう調整を行うことが重要である。また、ランディングページやKPIが変更となった場合には過去の実績を踏まえることができなくなるため、その前後での成果チェックが特に必要となる。

以上、自動入札機能の概要、設定時の注意点、成果確認について述べた。便利な自動入札機能ではあるが、いまだ全てのアカウントで成功するとは言いきれず、設定前後での成果確認、結果を踏まえての調整をこまめに行うことが肝要である。

執筆:株式会社アイレップ 第3コミュニケーション本部 芹澤由佳
記事提供:アイレップ