米国 Apple は iPad Air 発表イベントで、iWork を無料で提供すると発表した。だが米国 Microsoft は、Apple のこの戦略と、Apple 幹部による Microsoft に対する攻撃的な発言が気に食わなかったようだ。

Apple の iWork が Microsoft Office にはかなわないと考える8つの理由

Apple は、今回の動きを、「トップソフトウェアは無料であるべき」という考えを反映したものと説明している。だが実際には、これは Microsoft に向けて放たれた矢と考える方が妥当だろう。ソフトウェアの巨人は、いまも同社のプロダクティビティスイートを有料で販売しており、Office を無料にするという考えは Microsoft 幹部と投資家にとっての悪夢となるからだ。Office は、Microsoft の売上のかなりの部分を占めている。

Microsoft コミュニケーション担当 VP である Frank Shaw 氏は、公式 Blog で Apple に対して反論した。

「Apple が売れない軽量プロダクティビティアプリを無料にしたのは、Microsoft への威嚇射撃ではなく、巻き返しを図ろうとする動きだと私はみている」

Apple ファンは Shaw 氏の発言を嘲笑している。だが、Shaw 氏の述べていることは、もっともなことなのだ。iWork は初心者には良いアプリではあるが、Office にはかなわない。今日は、私がそう考える8つの理由を述べたい。

1. Apple の「Numbers」は、Excel ではない

何ページにも渡るデータを Numbers で扱ってみれば、Numbers は Excel とは違うことがすぐにわかるだろう。また、Excel は金融のプロには必須の「ピボットテーブル」や、多くのグラフ作成オプションもサポートしている。

 1. Apple の「Numbers」は、Excel ではない

Numbers がこれらの機能で Excel に追いつくまでは、専門家が Apple のプロダクティビティスイートを利用することはないだろう。

2. Office は(ある意味)無料だ

デスクトップでは Office は有料だ。だが Microsoft は Surface RT に Office をバンドルして販売している。これは Apple がすべてのデバイス上で動作する iWork を無料にしたことと、若干意味合いは異なってはいる。だが、Apple は、自分達がプロダクティビティスイートの無料提供を開始した最初のメーカーだと主張することはできない。Microsoft は Surface RT で以前から無料バンドルを実施していたからだ。

2. Office は(ある意味)無料だ

3. Office は様々な"デバイス"上で利用できる

Apple iWork のセールスポイントの1つには、様々なハードウェア上で動作するというものがある。だが Office もタブレット上で動作するし、機能が限定されているとはいえ、Android スマートフォンでも利用可能だ。

3. Office は様々な"デバイス"上で利用できる

マルチプラットフォームサポートはプロダクティビティスイートを活用する上で重要な要素。これが、Microsoft が Office でマルチプラットフォームをサポートする理由だ。

4. Office は様々な"OS"上で利用できる

これは Apple のウィークポイントだ。iWork は OS X と iOS 上でしか利用できない。一方、Office は Windows、Windows Phone、Windows RT の他、OS X 上でも利用できる。

4. Office は様々な"OS"上で利用できる

iWork for iCloud を活用すれば、より多くの OS やデバイスから iWork 文書にアクセスすることは可能だ。だが、プロダクティビティスイートをビジネスレベルで活用するには、ネイティブアプリを使用するべきだろう。その方が、ベストな体験を得られる。この面で、Apple は Microsoft に遅れを取っている。

5. iWork は企業向けプラットフォームではない

企業は Office を必要としている。これは明白だ。iWork は一般ユーザーの利用には適しているかもしれないが、多くの企業では Excel や Word の持つハイエンドな機能が要求される。Apple の iWork には、企業ニーズに応えうる機能は、搭載されていない。

5. iWork は企業向けプラットフォームではない

6. Word のワードプロセッシング機能は、今もまだ Pages を上回っている

Pages が備えるフォーマットオプションの数は、Word のそれを上回っている。だが、Word にはこれを埋め合わせるのに十分なツールや、Excel との連携機能が装備されている。Word はカラフルな小冊子や電子書籍などの作成においても、Pages に引けを取ってはいない。

 6. Word のワードプロセッシング機能は、今もまだ Pages を上回っている

7. 企業ユーザーにとっては無料であることよりも、サポートが重要

Office 365 は企業顧客に対してフルソリューションを約束している。Office 365 を活用することで、顧客はプロジェクトのメンバー間で、クラウドを活用したコラボレーションが可能になる。

7. 企業ユーザーにとっては無料であることよりも、サポートが重要

Apple は、Office 365 のサブスクリプションモデルを批判しているが、企業顧客には Microsoft の価格モデルは機能している。また、Microsoft はデータにアクセスできないなど、企業の納期や生産性に重大な影響を与えうる問題が発生した場合のサポートも充実している。企業にとっては、これは無料であるよりも重要だ。

8. デファクトスタンダードとしての Microsoft Office

好むと好まざるとにかかわらず、Microsoft Office はプロダクティビティスイートにおけるデファクトスタンダードとなっている。世界中の企業や組織は、ファイルを .doc、.xls、.ppt 形式で保存し、他の企業や組織と交換している。その理由は、Microsoft を好きだからではない。そうではなく、この形式で保存したファイルであれば、受け取り手が問題なくファイルを開いて読めるだろうと考えられるためだ。

8. デファクトスタンダードとしての Microsoft Office

iWork がプロダクティビティスイートの世界である程度頼りになる標準となるまでは、iWork が Office より良い選択肢になることはないだろう。

Don Reisinger
Don Reisinger は、フリーのコラムニスト。Ziff-Davis の Gearlog.com でのデビュー以降、Computerworld、InformationWeek などに数多くのコラムを寄稿してきた。現在は eWeek の他、CNET、LA Times でコラムを執筆している。

(この記事は、10月28日付け英文記事の抄訳です)