2009年7月、米国ヤフーと米国マイクロソフトが検索事業において提携すると発表してから、早4年が経過した。欧米諸国においては、Yahoo! 検索広告プラットフォームの Bing Ads(前、MS adCenter)への切り替えが順調に進められてきた。しかし、アジア圏においては2バイト文字という壁のためか、なかなか対応が進まず、依然として従来の広告プラットフォーム「Panama」が使われ続けていた。

ところが、最近になってようやく Panama から Bing Ads への移行がアジア圏でも見え始めてきた。具体的な移行開始日についてははっきりとされていないが、今年のクリスマスや年末年始商戦、また香港、台湾における旧正月(2014年の場合は1月31日)を考慮すると、2014年の2月頃に移行が開始されるのではないかと予測される。

では、Panama から Bing Ads に移行することで、何がどう変わるのだろうか。

■掲載面、配信設定における変化

1. Bing 検索結果への広告表示がプラス

上述のように、Bing Ads はヤフーとマイクロソフトの共通検索広告プラットフォームである。従来の Panama では、Yahoo! 香港、または台湾の検索結果画面にしか広告が掲載されなかったが、移行後は Bing にも広告が掲載されるようになる。

2. 曜日、時間帯配信設定が可能に

図1のように、時間帯指定での配信が可能になる。

Bing Ads への移行で何が変わる? 〜香港、台湾の検索広告事情〜
図1- 曜日、時間帯の設定項目

3. 性別、年齢でのターゲティングが可能に

図2のように、性別、年齢による配信設定が可能になる。なお、ユーザー属性は MSN ユーザー登録情報から取得されている。

図2 -性別、年齢の設定項目
図2 -性別、年齢の設定項目

4. デバイスターゲティングが可能に

図3のように、デバイスおよび OS 指定での配信が可能になる。

図3-デバイス設定画面
図3-デバイス設定画面

5. ターゲティング条件による入札の強化が可能に

図4のように、ターゲティング条件により、入札価格を+0%から+100%までの、10%刻みで強化することができる。例えば「金曜日の夜、23時から翌3時までの間はインターネット上で衝動買いをするユーザーが多いため、普段よりも入札価格を50%強化したい」というような設定が可能になるわけだ。

図4-配信設定による入札強化設定
図4-配信設定による入札強化設定

■運用面における変化

従来はひとつのキャンペーンで調整できるのは、主に入札価格、キーワード、広告文と、かなり限定的であった。ところが、Bing Ads 移行後は「曜日・時間帯で検索ボリュームの違いはあるのか」「男女の性別間でコンバージョンの違いはあるのか」「どのデバイスからの問い合わせが多いのか」など、同一キャンペーンでも複数の角度から分析、最適化することができるのである。

またそれは、予算に限りがあるキャンペーンでも、売り上げが出やすい時間帯やターゲット等をきちんと選択し、リソースを集中することで他社よりも優位に立てる可能性が高くなることを意味する。

【まとめ】

以上、Bing Ads 移行後の変化を見てきたが、端的に言うと「従来よりも設定項目が増え、より細かい配信、高度な運用ができるようになる」「しっかりとした知識、経験に基づいた運用と最適化をしていくことが勝利の鍵となる」ということである。

さて、香港、台湾においてこの変化が吉と出るか、凶と出るか。それは広告運用者の「腕の見せ所」であると言えるかもしれない。

執筆:株式会社アイレップ グローバルビジネス本部グローバルマーケティンググループ 堀江 昇

記事提供:アイレップ