日立製作所博報堂日経 BP と協力し「ビッグデータで取り扱う生活者情報に関する意識調査」を実施、その結果を公表した。それによると生活者は、企業などが生活者情報をビッグデータとして利活用することに、不安や抵抗感を持つ一方期待も感じていること、抵抗感軽減のためには、情報管理体制の整備や罰則強化などの対策が有効であることが明らかとなった。

同調査は、全国20〜60代の男女1,030名を対象に実施。調査日は2013年3月22日で、調査手法はインターネットによる。

■ 4割弱の生活者は「期待と不安が同程度」

まず、ビッグデータにおける生活者情報の利活用について、「活用への期待」と「リスクに対する不安」の大きさを尋ねたところ、「期待と不安が同じくらい」が36.8%、「期待が不安より大きい」「期待が不安よりやや大きい」が計21.8%、「不安が期待より大きい」「不安が期待よりやや大きい」が計41.5%となり、判断が分かれる結果となった。生活者がリスクに対する不安を感じる一方、期待も感じている状況がうかがえる。

情報を制御できる環境と匿名化などの対策がカギ--「ビッグデータで取り扱う生活者情報に関する意識調査」
生活者情報の利活用に関する期待と不安の大きさ(出典:日立製作所、博報堂、日経 BP)

次に、「電話や訪問販売の回数が増える」「詐欺行為の対象として狙われる」など、生活者情報提供に伴うリスクへの不安について尋ねた。その結果、「とても不安になる」と答えた女性の割合は、全ての項目において男性の割合を上回り、女性がより強く不安を感じる傾向が明らかとなった。

生活者情報の提供に伴うリスクの認識(出典:日立製作所、博報堂、日経 BP)
生活者情報の提供に伴うリスクの認識(出典:日立製作所、博報堂、日経 BP)

■ 8割の生活者は匿名化などの対策により抵抗感が軽減

ではどのような条件であれば、生活者は自身の情報を提供してもよいと考えるのだろうか。

「商品購入履歴」「健康情報」「交通機関利用履歴」の3分野において、生活者情報の利活用を認める条件を尋ねたところ、「活用される自分の情報をいつでも削除できる」「企業などが情報を活用する際、その利用範囲を明示する」などの項目が上位を占めた。情報利活用の詳細や削除の方法などを明らかにすることで、利活用に前向きな生活者が増えると考えられる。

生活者情報の活用を企業などに許すための条件(出典:日立製作所、博報堂、日経 BP)
生活者情報の活用を企業などに許すための条件(出典:日立製作所、博報堂、日経 BP)

また、利活用に伴うリスク軽減の取り組みも、生活者の認識に変化をもたらしそうだ。個人を特定できないようにする情報加工技術の利用や、不正な取得・活用に対する当局の取締りや罰則強化などの取り組みが行われた場合、8割前後の生活者が、抵抗感が軽減すると答えている。

生活者情報提供に対する抵抗感の緩和条件(出典:日立製作所、博報堂、日経 BP)
生活者情報提供に対する抵抗感の緩和条件(出典:日立製作所、博報堂、日経 BP)

■ 生活者情報の利活用は、リスク軽減の施策が重要に

最後に、一連の回答から、生活者情報に対する意識(期待と不安の相対的大きさ)と、各種対策によりリスクが改善されると考えている度合い(改善認識度)によるクラスタ分析を行った。その結果、「利活用に対する期待」と「リスクに対する不安」が拮抗し、かつ施策による改善を最も感じるグループが最大クラスタとなり、全体の57.9%を占めた。

生活者情報に対する意識と各種対策によりリスクが改善されると考えている度合いによるクラスタ分析
生活者情報に対する意識と各種対策によりリスクが改善されると考えている度合いによるクラスタ分析(出典:日立製作所、博報堂、日経 BP)

同調査は、生活者情報利活用の浸透と普及のためには、その便益の訴求に加え、リスク軽減施策の実施や、その効果の啓発が重要になると指摘している。