昨今リスティング広告において、検索連動、非検索連動ともターゲティング機能が充実し、リスティング広告の出稿手法が多様化、複雑化している傾向がある。しかしながら、この多様なターゲティング機能を正しいありかたで活用できれば、より効率的、効果的に成果改善が可能となる。今回は活用頻度が高いと思われる、デバイス別配信、地域別配信、リターゲティング(サイト来訪有無)においての活用方法、効果を紹介する。

(1)デバイス別配信

デバイス別のセグメント配信はスマートフォンの普及により次第に注目を集め、必須となったセグメントである。特にスマートフォンデバイスにおけるリーチ力は伸びていく一方であり、リスティング広告全体への影響度も非常に高く、さらに広告主のビジネスモデルにより、デバイス別の成果が大きく異なる。たとえば、BtoB サービスを扱っている広告主の場合、スマートフォンより PC を利用し検討するユーザーが多く、CVR(Conversion Rate)においてもスマートフォンに比べ PC のほうが高い傾向にある。広告主によっては、スマートフォンデバイスではまったくコンバージョンに至らないというケースもある。一方、BtoC サービスを扱っている広告主の場合、スマートフォンでの Imps(インプレッション数)に比例し CVs(Conversions)のボリューム、投下コストとも、全体に対してのシェアは高い傾向にあるようだ。

(2)地域別配信

地域別にセグメントを切って配信を行うというシンプルなターゲティング配信であるが、活用例は様々である。細分化すればするほど、効率は良いが、その分管理が煩雑化する点を留意し、設定を検討する必要がある。以下に3つの活用例を挙げる。

・実店舗のあるエリアにのみ配信

言うまでもなく広告主の商圏に合わせることで、商圏外の検索ユーザーのサイト流入を防ぐことができる。

・検索ユーザーの多い地域への出稿量を増やす

検索ユーザーが多い=競合の出稿量が多いということを意味し、必然的に CPC(Cost Per Click)が高い傾向にある。獲得効率が悪い地域と切り離すことで無駄な費用を削減できるため、入札価格を高く設定することができ、上位表示が可能となる。この場合、首都圏を他の地域から切り出すことが大半である。

多様化するターゲティング機能の効果的活用法
エリア別 CPC 設定例

・CVR が高い地域を切り出すことで効率を重視しつつ獲得件数を増やす

CPA(Cost Per Action)を重視した運用を行う際に有効である。しかしながら、地域単位の CVR については各地域に限定された CM・イベント・流行など、小規模な変動要素が多く、定期的に見直しが必要なことも留意したい。

(3)リターゲティング(サイトの来訪有無)

Cookie の情報を元に過去サイトに来訪履歴があるユーザーとないユーザーに対して、配信内容を変更できるターゲティング手法である。昨今、Cookie 情報を利用したサービスは多岐に渡るが、ここでは Google アドワーズ広告でリターゲティングの機能を持つリマーゲティングの活用法に触れる。サイトに来訪したユーザーに対し、広告を表示させるだけでも有益ではあるが、リターゲティングにおいては、さらに効率化を進めたい。以下リターゲティングにおける効率化に有効だと思われるターゲティング例をあげる。

・離脱ページ単位でユーザーをセグメント

離脱したページがユーザーのモチベーションに最も近いことが想定できるため、離脱したページ単位ユーザーをセグメントし、訴求を変えることで獲得効率が改善されることが想定できる。

・サイトに訪れた経過時間に応じてユーザーをセグメント

サービスによりユーザーの検討期間が異なるため CVR が高い期間を発掘する必要がある。(一般的には時間がたつほど CVR は低下する傾向がある。)たとえば、ユーザーセグメントをサイトに訪れてから7日間以内、8〜15日以内…とセグメントし、配信することで最も CVR が高いセグメントについては入札価格を高く設定し、CVR が低いセグメントに対しては、広告文やランディングページの検証を行うなどの対応策がとれる。

期間別ユーザーセグメント例
期間別ユーザーセグメント例

以上、今回3点のターゲティングについて述べさせていただいたが、前述に記載したとおり、これらは多様にあるターゲティング機能の一部でしかない。検索連動広告、非検索連動広告とも、今後もよりターゲティング機能が充実、複雑化していくのは間違いないだろう。その中でも広告主に合ったターゲティング手法のベストプラクティスを発掘していきたい。

執筆:株式会社アイレップ 第2コミュニケーション本部 綾部麻里子
記事提供:アイレップ