昨今の Web マーケティング手法において、自社サイトへ訪れたユーザーの Cookie 情報をもとに広告を配信するリターゲティング広告は、非常に効率的な手法として定着している。また解析ツールや第三者配信ツールなどを活用したアトリビューション分析も広まりを見せており、高度な配信設計や分析を行える反面で、ページ内がタグだらけという Web サイトが多くなっているのではないだろうか。そこで今回は「タグマネジメントの重要性」について考えていきたい。

タグマネジメントは、言葉のとおり媒体やツールのタグを適切に管理することを指すが、ここでポイントとして考えるべきなのが、(1)高度な配信設計を行う上でのタグ管理、(2)Web サイトの保守の2つの観点である。その観点について、以下解説をしていこう。

(1)高度な配信設計を行う上でのタグ管理

リターゲティング手法の広まりにより、多種多様なアドネットワークや DSP でリターゲティング機能が実装されているのは当たり前となっている。さらに、最近ではユーザーが閲覧したサイト情報をもとに、動的なバナーを生成する「ダイナミックバナー」や、ユーザーのサイト訪問状況によって入札価格の強弱をつけられる高度な配信設計が広がりをみせている。(例えば、EC サイトにて Top ページで離脱したユーザーと買い物カゴページまで閲覧したユーザーとを切り分け、買い物カゴページまで閲覧したユーザーはモチベーションが高いため、入札を強化するなど)

上記のような高度な配信を実現する上で、Top ページ(またはディスプレイ広告、リスティング広告、自然検索でたどり着いたランディングページ)と買い物カゴページのタグは異なるものにする必要がある。そのため、各 Web サイトに埋まっているタグをどのように埋めるかを設計・管理し、間違いがないように実装することが必須となる。

(2)Web サイトの保守

もう1点がサイトの保守という側面である。ページ内に複数のタグが設置されている場合、タグの設置が多ければ多いほど読み込みに時間がかかり、ページの表示速度が若干遅くなるケースがある。Web サイトにおいてページ表示速度は成果に直結する要素であるため、ユーザビリティの観点からもページの表示速度は極めて重要である。また、現在は使用されていないタグがそのまま残されている場合、必ずそのタグを取り外すことを推奨したい。タグは実装されている限り、そのページが表示されるたびに読み込まれるので、仮にタグに不具合が発生した場合、そのページ自体が表示されないことも考えられる。このように、サイト保守の観点でもタグマネジメントは重要である。

ここまではタグマネジメントの重要性について述べてきたが、とはいえ企業におけるマーケティング担当者とサイト管理者が異なるケースも多く、マーケティング担当者がタグを管理したくとも、タグの実装・取り外しを行う際に、都度サイト管理者に依頼をしなければならないケースも多く、頭を悩ませているのではないだろうか。

そこで重要となるのが、複数タグをひとつにとりまとめる「ワンタグ」という手法である。ワンタグとは、各媒体によって異なるタグをひとつのタグに差し替え、ワンタグの管理画面にて各媒体タグを紐付けて管理することである。個別のタグの差し替えが必要になった際も、実際のページを編集することなく、ワンタグに紐付いているタグを編集することで、タグの差し替えが可能となる。それゆえ、タグの可視化と業務効率改善が図れ、タグマネジメントを行う上では切り離せない手法といえる。

また、以下の図のように、これまでは各媒体によってタグが異なるため、タグの設置に工数がかかり、またその管理も煩雑なものだったが、ワンタグの設置により1つのタグでタグを管理することが可能となり、タグ設置の工数も削減される。

タグマネジメントの重要性

これらは非常に基本的な考えではあるが、まずは「タグマネジメントの重要性」を理解し、広告運用の効率化、今後の Web マーケティング施策に役立てていただきたい。

執筆:株式会社アイレップ 第3コミュニケーション本部 チームマネージャー 森洋介
記事提供:アイレップ