クラウドが提供するのはインフラだけではない。アプリケーションも提供する。1月29日、米国 IBM は SAP アプリケーションをサポートする企業向けクラウドサービス「SmartCloud Enterprise+」のサービスを全世界で提供開始したと発表した。

IBM の SmarCloud 担当 VP である Dennis Quan 氏は InternetNews.com に対し、SmartCloud Enterprise+ は、企業側のニーズとクラウドサービスの間のギャップを埋めるものだと述べた。

「IBM は、SAP のビジネスアプリケーションをクラウドで稼働させることで、顧客に対してエンドツーエンドのソリューションを提供できると考えた。だがこれは単に仮想マシンを稼働させればよいというものではない。実現の鍵は、企業顧客との間で、提供するサービスの内容や品質に対する要求水準を明確にし、サービス内容合意書(SLA)を締結することだった。IBM は SmartCloud Enterprise+ で、SLA の適用範囲を仮想マシンから、アプリケーションにまで拡張した」

IBM が目指しているのは、伝統的なデータセンターと同じレベルのサービスと品質をクラウドでも提供可能にすることだ。Quan によれば、IBM のサービスは世界中にある IBM のクラウドデータセンターから提供されており、99.7%の高い可用性を実現しているという。

IBM は SmartCloud ソリューションをサポートするため、自社のクラウドデータセンターをさらに拡大していくという。現在、SmartCloud Enterprise はカナダ、ブラジル、日本、フランス、オーストラリア、ドイツ、米国の IBM データセンターでサポートされている。2013年の中頃までには、スペインのデータセンターもこれに加わる予定だ。

クラウドテクノロジー

SmartCloud Enterprise のロードマップには、オープンソースの OpenStack クラウドプラットフォームの組み込みが予定されている。IBM は、OpenStack 財団の創設メンバーの1つ。Quan 氏は、IBM は今後の12か月から18か月で、クラウドインフラストラクチャーを OpenStack の技術に移行していくと語った。

現時点では、SmartCloud Enterprise は VMware の技術を活用している。だが、それがすべてではないと Quan 氏は語った。

「IBM は複数の仮想化技術を使ってシステムを構築している。システムのベースとなっているのは、IBM Tivoli 管理環境だ」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。