年明け、IT 業界でも多くの企業トップが年頭所感を述べた。2012年は国内では安部新政権が誕生し、国外でも政局の変動が相次いだ。世界的に景気は低迷中だが、スマートフォンや クラウドサービスなどが本格的に浸透したのが2012年。2013年の年頭所感に見る、企業トップの意気込みはどうであろうか。(以下の年頭所感は順不同)

■日本マイクロソフト

2013年度を「New Era」(新時代)への変革の1年と位置づけ、Windows 8、新しい Office、Windows Server、クラウドサービス、各種サーバー製品などの新製品の販売を開始していく。ビジョンとして「デバイス&サービスカンパニーを目指す」を設定し、ソフトウェアの力で、革新的なデバイスとクラウドサービスを提供すべく、全社挙げて推進していくという。

New Era の象徴たる製品は、2012年10月26日に発売した Windows 8 だ。Windows 8 は、「Windows Reimagined」(Windows の再創造)として、新しいユーザーインターフェイス、タッチ/マウス/キーボードでの操作、クラウド/ソーシャル連携など、新たな機能を備えており、すでに全世界で1,500機種、日本でも250機種以上の Windows 8 に最適化された新しいデバイスが販売されている。

■日本 IBM

現在、ビッグデータから洞察を得、迅速な意思決定ができる時代にあり、日本 IBM は、ユーザー企業の国内外市場での成長と競争力の強化を支援していくという。

そのために同社は、デジタル化の進んだ市場環境に即した顧客中心の商取引を支援するスマーターコマース、データをもとにリスク最小化や的確な意志決定を支援するビジネスアナリティクス、変化するビジネス環境への迅速、柔軟な対応を支援するクラウドコンピューティング、東北地方の復興を含め、行政や企業が進める地域経済活性化を支援するスマーターシティーなどに注力していく。

レッドハット

同社は、長期化する不況の中でも、2月の決算で前年比25%の増収を達成し、総売上も10億ドルを超す世界最大のオープンソースソフトウェア(OSS)企業となったことを報告している。また、日本市場においても5年以上にわたり2桁成長を続けている。

そして、創設から20周年という節目の年を迎えて、今年度は特にソリューション提供に注力し、LINUX や JBoss EAP を駆使したコスト削減や、クラウドを構成する IT システムの核となる仮想化、IaaS/Paas クラウドを構築するソフトウェアを販売していく。

GREE 

スマートフォン関連市場がグローバルで飛躍的に拡大したこの1年に、同社は、スマートフォンビジネスとグローバル展開の強化を図ってきた。海外拠点のゲームスタジオ(アメリカ、中国、韓国)からのソーシャルゲームの配信開始や、169の国と地域で利用できる「GREE Platform」サービスを開始した。

2013年はソーシャルゲーム業界の真価が問われる年だとし、昨秋に設立したソーシャルゲーム協会(JASGA)を中心に、業界全体の健全な発展と社会との共生を目指して取り組みを一層強化していく。

シマンテック

2012年も、日本で悪質な Android アプリが登場するなど、セキュリティの脅威が続いた1年だった。モバイルやクラウドの導入の進展に伴い、セキュリティ対策はより重要となっている。

この課題に対し、同社は、モバイル/クラウドセキュリティソリューションを販売することで、セキュリティを担保しつつ、企業の生産性の向上と業務効率性の改善に寄与していく。

オラクル

同社は2013年を、新たに日本を再生し、20年後、30年後を見据えた国のカタチ作りに取り組むタイミングだという。そして、新たなテクノロジーの発展による経済成長と ICT を駆使して日本の未来を創っていく、と年頭所感で述べている。

このためには、グローバルに通用する仕組みのスピーディな構築が必須だとし「Simplify IT」をメッセージとして、このようなシンプルでかつスピーディで柔軟性のあるシステム環境を実現することで、イノベーションを解き放つ先進的な情報通信技術を2013年も積極的に日本で展開していく。

UQ コミュニケーションズ 

2012年は、モバイルデータ通信市場での競争は非常に厳しかったが、同社は、モバイル通信サービス部門などで、2年連続の総合満足度 No.1 を獲得、また、2012年11月30日時点で、「2.5GHz 帯周波数を使用する特定基地局開設計画」で計画した全1,161市町村のエリアカバーを完了し、人口カバー率は約94%となった。

同社は2013年、さらに高速で快適なサービスを提供すべく、次世代 WiMAX サービス「WiMAX 2+」(仮称)の導入を検討していく。

サイオステクノロジー

同社は、オープンソースソフトウェア(OSS)を軸としたソリューション販売を通じて、IT 産業の発展に影響力のある存在、「インフルエンサー」となるべく、事業を展開していく。

具体的には、O2O(Online to Offline)ソリューション、ビッグデータソリューション、スマートデバイスソリューションなどの新たな事業分野にも取り組み、コアビジネスである OSS 関連サービス、事業継続ソフトウェア、複合複写機向けソフトウェア、パブリッククラウド向けソフトウェアの販売と導入支援サービスと合わせて IT 産業の変革をリードしていく。

■SAP ジャパン

インメモリープラットフォーム SAP HANA の展開開始後2年が経ち、2012年には、国内の大手企業をはじめ、新興企業まで、旧来の基幹業務システムを一新し、SAP HANA を中心とした革新的なシステムへ移行する動きが多く見られた。

同社は、スマートフォン、タブレット PC などの普及がさらに加速し、ビジネスだけでなく、社会全体が「真のリアルタイム」時代に突入したとして、国内だけでなくグローバル拠点を含む企業全体の状況をリアルタイムに把握し、最終顧客の要求にいち早く対応できる体制を整えることが、今後の企業運営では不可欠だと言う。

2013年は、多くの企業がリアルタイム経営の価値に着目し、イノベーションを起こす1年になるという。その中で、同社は、ユーザー企業を支援をするために、常に最終消費者を意識した、デザインシンキングを用いた独自の方法論とインメモリー、モバイル、クラウドなどの技術を駆使していく。