「CVs が減ったので CPA が高騰しています」。こんな報告を聞いて辟易したことはないだろうか?多くの読者がご存知のとおり CPA(Cost Per Action)は Cost と CVs(Conversions)から導かれる指標なので、上記のような報告は事実としては正しいが、何の意味も持たない。

データ分析の本質は「どれだけ遠いところまで見れるかどうか」ではないだろうか。CPA が高騰したのであれば、おそらく Cost と CVs に変化があったのは間違いない。ただ、ここで考えてもらいたいのは、Cost も CVs もリスティング広告では“結果”の一部でしかないということだ。変数は、その手前に存在する。

リスティング広告におけるデータ分析の着眼点

上記のように式を整理してみると、CPA の高騰は(1)CPCの高騰か、(2)CVRの低下が原因だとわかる。しかし、これでも事象の把握としては不完全だ。考えられうる要因はもっと先にある。

(1)CPC(Click Per Cost)が高騰している場合

自社が入札を強めて Rank が上がっている結果なのか?それとも、競合社が入札を強めてきているのか?はたまた、品質スコアが悪くなっているのか?(その場合、広告の平均掲載順位はおそらく下がっているだろう。)

(2)CVR(Conversion Rate)が低下している場合

流入(CTs)が増加していないか?増加しているなら、それは IMP(Impression)によるものか?CTR(Click Through Rate)によるものか?IMP によるものなら KW は変わっていないか?それともシーズンの影響か?CTR が変わっているなら Rank の影響は?そもそも、サイト内容が変わったりしていないか?マス広告などの影響はないか?…etc.

掘り下げていくと、ここでは書ききれないほど実に様々な仮説が浮かんでくる。前述した「どれだけ遠いところまで見れるかどうか」ということは、つまり“結果”から逆算してどれだけ手元の「変えられる(=施策が打てる)」範囲まで引き戻してこれるか…ということに他ならない。

狭義のリスティング広告でいうとコントロールできる変数は概ね IMP・CTR・CPC・CVR の4つに限られているが、直近で盛り上がってきている第三者配信のシステムに象徴されるように、今後もますますデータは複雑化していくだろう。(変数が増えれば増えるほど、トライアルにおけるデータの母数や正当性の問題が生じてくるが、それは字数の都合もあり別の機会に記事にしたい。)

いずれにせよ、データ分析の目的は「次の打ち手に繋げること」である。先入観は視野を狭めるデメリットもあるが、「求める指標を達成するためには、他のどの数値との相関性を見れば改善するポイントが見えてくるか」という視点を常に意識して、データとは向き合いたい。

執筆:株式会社アイレップ 第1コミュニケーション本部 小原聡
記事提供:アイレップ