世界はモバイルへの移行を続けており、モバイルアプリの需要も増加を続けている。米国 IBM も、モバイルアプリ開発支援製品の提供によって、この流れに乗ろうとしている。

IBM によるモバイルアプリ開発支援は、「IBM Mobile Foundation」の提供で本格的に始まった。Mobile Foundation は、IBM が今年買収したモバイル開発ベンダー「Worklight」の技術がベースとなったものだ。

IBM エンタープライズモバイル部門担当上級副社長である Phil Buckellew 氏は InternetNews.com の取材に対し、Mobile Foundation はネイティブアプリ、ハイブリッドアプリ、モバイル Web 開発を支援するものだと語った。Buckellew 氏は IBM のモバイルアプリ開発支援戦略には、企業の従業員が持ち込むモバイルデバイスを管理するエンドポイントマネジメントや、アプリの共同開発を支援するライフサイクルマネジメントの提供も含まれると付け加えた。

「BYOD への移行により、組織は従業員が持ち込む様々な種類のモバイルデバイスの管理が不可欠となってきている」

IBM のエンドポイントマネジメントでは、従業員に対してセルフサービスによる管理機能を提供する。例えば、企業アプリをダウンロードする従業員は、IBM の提供するセルフサービスポータルで組織内での自身の役割などに関するいくつかの質問に回答する。これにより、その従業員は所属する組織や役割に応じた適切なアプリをダウンロード可能となる。

Tealeaf

IBM Mobile Enterprise には、「Tealeaf」カスタマー体験管理プラットフォームも組み込まれている。Tealeaf は今年6月に IBM によって買収された技術。Tealeaf を利用することで、モバイルアプリ開発者はアプリ利用者の体験データを取得し、アプリの使い勝手を向上することが可能となる。Buckellew 氏は次のように説明する。

「Tealeaf は、顧客がアプリをどのように利用しているか、その実態を知ることができるものだ。開発者は、アプリ利用者がどこで戸惑うのか、あるいは顧客が購入ボタンを押さないと決定したのはどこだったのか、といったことを知ることが可能だ」

企業向けモバイルアプリ開発支援

IBM の モバイルアプリ開発者向けツールは Eclipse ベースの IDE であり、他の IBM の開発者向けツールと統合されている。IBM は Worklight を利用したアプローチを取っており、開発者は既存のネイティブアプリや HTML5 アプリを活用可能となる。Buckellew 氏は次のように説明している。

「HTML5 をサポートすることで、既存のサービスの利用可能性を高めることができた」

HTML5 によって、例えば IBM の WebSphere Portal ミドルウェアとモバイル開発環境を統合することが可能となった。IBM の顧客は、既存のコードをモバイルアプリで活用することができるのだ。

「顧客は、過去に開発したコードをモバイルの世界でも利用可能になった。既存のコードに対して、例えばモバイルカメラなどのモバイルデバイス独自の機能を追加することも可能だ」

Apple iOS サポート

モバイルでの課題として、モバイルデバイスと OS が多様である点があげられる。エンタープライズモバイルアプリは、これら様々なプラットフォームや様々な機種に対応しなければならない。

「コアなビジネスロジックでは HTML5 のような汎用言語を使うべきだ。だが必要に応じて、個々のデバイスへの対応にも投資しなければならないだろう」

そのような課題の1つに、Apple の AppStore 対応がある。アプリを Apple の AppStore にアップする際には、Mac OS 上で Xcode IDE を利用して実行する必要がある。これに対応するため、開発者全員分の Mac OS を用意している企業も存在するが、これにはコストがかかり過ぎる。Buckellew 氏は、IBM はこれに対するソリューションを用意していると語る。

「IBM のライフサイクルマネジメントを活用すれば、開発者は好みの環境でコードを書き、チェックインし、その後1台の Apple ハードウェア上でビルドする、といったワークフローが実現できる。これにより、開発者全員が Mac を持っていなくても、Apple の AppStore で認証可能なビルドが生成可能になる」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。