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普及が進む LED 照明、増加する「直管形 LED ランプ」のトラブルにご注意を

japan.internet.com 編集部
2012年7月23日 / 09:00
 
全国的に梅雨が明けて、本格的な夏が始まった。既に、各地で35度以上の猛暑日を記録するなど暑さが厳しさを増しており、それに合わせて電力会社が発表している消費電力量も供給可能量の90%を超える地域が出てくるなど、電力のひっ迫状態は今年も切実。消費者にとっては、今年の夏も節電が大きな課題となる。

家庭の節電対策の中で近年注目されているのが、「LED 照明」だ。LED 照明は従来の白熱電球や蛍光灯に比べて消費電力が大幅に低く、寿命が長い。消費者の LED 照明への切り替えは急速に進んでおり、市場規模は1,400億円程にまで拡大(2011年現在)。国の要請を受け、国内の大手家電メーカーは次々と白熱電球の生産を終了する動きを見せている。

しかし、LED 照明の普及が急速に進む一方で、製品が原因のトラブルも増加している。トラブルが起きるのは、主に従来の白熱電球や蛍光灯から LED ランプに切り替えた際に発生しており、全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)に寄せられた相談によると、主に照明器具に取り付けた LED ランプの焦げ、焼損などが発生しているという。このようなトラブルが発生する原因はどのようなものなのだろうか。

● 「従来の器具に取り付け可能」というセールスポイントに“落とし穴”が

PIO-NET に寄せられた相談の中でも特に多いのは、「直管形 LED ランプ」と呼ばれるものに関するトラブルだ。家電店でよく見かける丸い「電球形」は、従来の照明器具の口金の形に合った製品を選べば安全に使用できる。しかし、「直管形」も同じ考え方で「従来の器具にそのまま取り付けて使用できる」というのは、実は大きな誤解。オフィスや店舗などを中心に設置されている「直管形」は構造的には互換性があるため取り付けることができるが、「直管形 LED ランプ」は既存の蛍光灯照明器具が本来想定していた適合ランプではないため、組み合わせによっては様々な問題が発生する可能性があるのだ。

不具合を起こした直管形 LED ランプの例(出典:東京都生活文化局消費生活部生活安全課)
不具合を起こした直管形 LED ランプの例
(出典:東京都生活文化局消費生活部生活安全課)

この点に関して、日本照明器具工業会と日本電球工業会は、照度不足など LED ランプの性能に関する問題だけでなく、照明器具と LED ランプの不適合によって生じる性能面、安全面、品質保証の責任問題など、様々な問題があると指摘。特に安全面での問題は深刻で、器具とランプの不適合によって、発煙や発火による焼損、ランプ交換時の感電、器具の損傷、ランプの器具からの脱落などの危険性があるのだ。

また同工業会は、適正交換時期が8年から10年とされている蛍光灯照明器具にそのまま LED ランプを装着し、長期間使用を続けるのは危険だと注意喚起を行っており、蛍光灯を LED ランプに切り替える際には、ランプのみを交換するのではなく、照明器具も LED ランプ専用のものに交換することを推奨している。

照明器具の使用期間と故障率の関係
照明器具の使用期間と故障率の関係

● トラブル防止のために独自基準「JEL801」を制定し、「L型ピン口金」を採用

このように、普及が進む「直管形 LED ランプ」に関して様々な問題が生じている背景には、技術基準や安全基準を明確に制定されていなかったことが挙げられる。直管形 LED ランプは電気用品安全法で「電気用品」の対象とされておらず、また日本工業規格(JAS)でも直管形 LED ランプに関する規格・基準は存在していない。
※2012年7月1日に施行された「電気用品安全法施行令の一部を改正する政令」により、現在「電球形 LED ランプ」と「LED ランプを使用する照明器具」は電気用品安全法の規制対象となっています。

この状況を問題視した日本電球工業会は、直管形 LED ランプシステムの技術規格「JEL801」を制定。東芝ライテック、パナソニック エコソリューションズ社など国内の家電メーカーはこの規格に適合する照明器具、LED ランプを開発し、販売を行っている。「JEL801」は、これまでの蛍光灯型の口金規格(G13)に換わって、「L型ピン口金(Gx16t-5)」を採用。ソケットを専用設計にすることにより、既存の照明器具に誤って直管形 LED ランプを装着することを防止する構造としている。

「JEL801」で採用されている「L型ピン口金(Gx16t-5)」のピン形状
「JEL801」で採用されている「L型ピン口金(Gx16t-5)」のピン形状

家電店の店頭などでは依然として「直管形」「電球形」に関係なく、全ての LED ランプを「従来の照明器具に取り付けが可能」と謳って販売している場合があるため注意が必要だが、直管形 LED ランプは誤って従来の照明器具に使用すると思わぬトラブルに見舞われるリスクがあることがわかった。照明器具、LED ランプ共に「JEL801」規格に基づいて開発された製品を適切に使用することが重要だと言えよう。
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