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「360buy」を見る

株式会社クララオンライン 家本賢太郎
2012年4月23日 / 12:30
 
 
先週末、北京でも東京と同じタイミングで、楽天が中国の EC 事業から撤退するというニュースが駆け巡りました。多くの中国国内の EC ショップや関係者からは「楽天経由では残念ながら売れていない。圧倒的に淘宝網(タオバオ)経由だ」という声を聞いており、かなり苦戦している様子でした。実際、事業が成功しているかどうかは採用動向を見ていればよく分かります。成長を続けている場合には人材採用が活発で、面接の現場や人材紹介会社などからも様々な情報が漏れ伝わってきます。日本からの EC 事業の大型投資として期待されていたものの、中国国内の消費者向け EC 事業への参入のハードルの高さを示したものといえそうです。

さて、日本の書店やネットの記事では中国の EC 市場を捉える上でのベンチマークには多くが淘宝網を採用していますが、必ずしも淘宝網だけに絞ってみる必要はありません。以前に触れましたが、拍拍網、当当網といったプレイヤーもそれぞれの強みを発揮しています。Amazon は拙稿でも以前に触れたように、中国展開を本格的にするために着々とステップを踏んできています。今回は、この主要プレイヤーに数えられる京東商城(360buy)に触れることにします。

京東商城(360buy)
京東商城(360buy)
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京東商城(360buy)は2004年に EC 事業を開始し、2006年から2007年頃には既に中国の主要な EC 事業者の一角として数えられるようになりました。中国全土に配送センターを持ち、北京、上海、広州、成都など25の主要都市では午前11時までの注文であれば当日配送を受けることができます。また合計40元以上の注文であれば配送料は無料になり、それ以下でも1回あたり5元の配送料で届けてくれます。近くに住んでいるのであれば倉庫に直接取りに行くことも可能です。京東商城の強い領域は家電、PC、携帯電話などの電気製品で、価格の比較としてよく京東商城のサイトでの掲示価格が話題にのぼることがあります。他の EC サイトと同様、口コミがあるのでその商品自体の評判も確認できます。

ただ、中国の EC サイトは淘宝網や拍拍網も含め、取扱製品の幅はほぼ全てのジャンルにわたっており、もはや商品の取り揃え具合では差別化にはなっていません。ユーザの囲い込みも中国では容易ではないため、京東商城は上記のような当日配送サービスのほか、返品処理を受け付ける、領収書を確実に発行する、といった付帯的な要素を丁寧に揃えることでリピーターを増やす戦略をとっています。商品の返品は、Web サイトに過去の購買履歴が残っているため、京東商城が直接販売した商品で、かつダイヤモンド会員以上であればここから返品処理を届け出ることにより、15日以内であれば無料で返品に応じてくれます。

ちなみに360buy は海外配送も受け付けていて、海外へ送ることが可能な商品であれば PayPal で支払いを行い、DHL などで日本にも届けてくれます。また海外ブランドを集めた360Top(www.360top.com)、アパレル専門のサイトとして千尋網(www.qianxun.com)も展開していますが、力の入れ具合は今のところ圧倒的に本家のサイトに寄っているようです。

360buy の国内鉄道チケット販売ページ
360buy の国内鉄道チケット販売ページ
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最近では国内の鉄道チケットの販売をオンラインで始め話題になっています(http://huoche.360buy.com/)。航空券やホテル予約に展開をしてきましたが、次の照準は、中国の重要な移動手段である鉄道でした。このサイトではオンラインで時刻表と乗車券の金額を確認しながら(中国は一般の長距離列車の場合、寝台以外では硬座という二等席と軟座という一等で金額が異なります)予約が可能です。鉄道チケットといえば、システムトラブルなど多くの話題にあがった鉄道部直轄のサイト「12306.cn」がありますが、ここがあまりにも評判が悪く、一方で多くのアクセスが集中したことで、インターネットでの鉄道チケットの予約ニーズがあることを示しました。京東商城ではそれぞれ5元のサービス料と20元の配送料が追加で取られますが、この25元分の価値を中国人が見出すかどうかを含め、このサイトが成功の行方が注目されています。

(執筆:株式会社クララオンライン 家本賢太郎)

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