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IT 企業の人が中国出張で気をつけること

株式会社クララオンライン 家本賢太郎
2012年4月9日 / 10:00
 
 
今回は番外編です。IT 企業やインターネット関連企業の方も、中国とのビジネス関係では電子メールやテレビ会議だけでのコミュニケーションでは限界があり、中国への出張・業務渡航をすることも多いと思います。今回は、特に IT 企業に勤めている人に絞って想定し、中国出張は初めて!という人が気をつけておいた方がよいことを整理してみます。筆者が見たこと、あるいは経験したことに絞りましたが、繰り返し出張されている方や駐在されている方にとってはご存じのことも多いと思います。

まず電子機器・携帯電話まわりについて。パソコンの AC アダプタは100V-230V に対応しているものがほとんどなので電圧の心配はいりません。ただし電源のプラグ(コンセントの形状)は、一般的に日本のものとは違います(外国人が宿泊するホテルではフロントに変換プラグが置いてあったり、各国のプラグに対応したコンセントであることもあります)。変換プラグは常に1〜2個はカバンの中に入れておくと良いでしょう。

意外と落とし穴になるのは携帯電話の充電器。スマートフォンの場合には USB 端子で充電できるので PC 経由でも充電できますが、専用充電器の場合、電圧が100V にしか対応していないケースがあります。中国でも1日パケット定額プランが使えるため、以前より日本の携帯電話を使うケースも増えていそうです。この場合には変圧器を用意しましょう。

最近は、1日1,280円程度から3G 通信のパケット定額が使える WiFi ルーターのレンタルサービスもあります。出張中に外でメールの送受信などをしたいという場合にはこちらを使うことも考えてみていいでしょう。

通話用の通信カード(中国聯通)
通話用の通信カード
(中国聯通)

*クリックして拡大
携帯電話については、頻繁に中国に出張することが今後予想されるという場合には現地の SIM を買うこともおすすめです。SIM ロックフリーの携帯電話を持っていれば、空港で2G のカードが自動販売機で買えますし、仮に持っていなければ、市内の電気店や携帯電話ショップで機器だけ買うという手もあります。

中国に長期で駐在している方や、繰り返し出張している方であればお店を見分けることもできると思いますが、中国出張初心者の方は少し気をつけた方がいいかもしれません。露店や小規模な店舗では、正規流通品ではないものや、いわゆるパチ物、あるいはバッテリーだけが中古品、さらには買う前にはホンモノを見せられていたのに渡された時には偽物にすり替わっていた、というケースもあります。ですから最初は大型店をのぞくのが良いでしょう。国美電器や蘇寧電器、あるいは大中電器(北京に多い)などが代表的です。

ただし、SIM のアクティベーションには中国語と英語のメッセージを聞き取らなければならないため、少し言葉に不安があるという方は、金額は高めですが、日本国内でも中国で使用可能な携帯電話を購入することができたり、中国の SIM を契約できるというサービスがあります。

なお、面白いからといって iPhone の偽物など、酷似したパチモノを買って日本に持ち込もうとすると、日本の税関で没収される可能性があります(機械に限りません。ブランド品についても同様です)。

仮に日本とのやりとりで Skype を使う予定がある場合には、あらかじめ出張前に日本国内で Skype をインストールしておくことをおすすめします。中国国内から skype.com にアクセスして Skype をインストールしようとすると、中国用の Skype の Webサイト(中国国内では Skype との合弁相手である TOM が Skype の事業を展開しています)に自動的に繋がるようになっており、中国向けの Skype のプログラムしかダウンロードできません。現在は分かりませんが、過去にはこのプログラムにチャットなどのログをすべて記録するというプログラムが仕込まれていたことがあり、公式に TOM が謝罪していたことがありました(2008年)。

さらに、出張中のメールのやり取りや Web サイトへのアクセスの際、暗号化されていない通信は、その内容が記録されてしまう可能性があることを頭にいれておいたほうがいいでしょう。特に電子メールについては、メールの送受信や、メールサーバへ接続する際の ID・パスワードのやり取りが暗号化されているかどうかについて、念のため管理者の方に尋ねる方がよいと思います。最近のメールサーバは暗号化に標準で対応しているケースが多いものの、以前はこれらが平文でやり取りされていることも多くありました。場合によってはメールの内容自体が通信経路上で見られてしまう可能性があります。

持ち込み荷物についても気をつけてください。中国では、いわゆる禁制品だけでなく、記録メディアの持ち込みについても抜き打ちでチェックを受けることがあります。IT 企業の方で、製品情報などが入っている DVD メディア、あるいは大容量になるとポータブルハードディスクを持っていくというケースもあるかもしれませんが、中身がどうであれ、入国時に手荷物検査で質問を受けることがあります。実際、ハードディスクについて確認をされていたケースを見かけることがありました。業務に使うものと認められれば良いのでしょうが、不用意に大量のメディアを持ち込むことはおすすめできません。

最後に一般的なことについても触れておきましょう。初めての出張で気をつけるべき、両替の仕方や保険、あるいはスリ・盗難・パスポートの紛失などについては、ここでは触れませんが、ガイドブックなどを見て対策されることをおすすめします。例えば筆者は過去に、瀋陽空港で帰りの航空券と現金がスラれてしまい再発行の手配をするために航空会社の日本のオフィスと何度も電話のやり取りをしなければならなかったことがありました。

また、健康管理にも気をつけましょう。大連からの帰国の際に急性胃腸炎になり、空の上で嘔吐を続けながら日本に戻り、そのまま成田空港の検疫所でお世話になったこともありました。忙しい出張が続くと帰国日にふっと気がぬけて、生ものや水などで胃腸をこわす方が多くいらっしゃいます。

脅すようなことばかり書いてしまいましたが、中国への出張・業務渡航はいつも刺激的です。これから初めて中国に出張だという方は、ここに書いたことについては一通り気をつけていただいた上で、実地で中国のダイナミズムをぜひ実感してきてください。

(執筆:株式会社クララオンライン 家本賢太郎)

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