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SEO ハイライト(2012年1月〜3月) 理解しておきたい検索アルゴリズム事情

株式会社アイレップ 渡辺隆広
2012年3月27日 / 06:00
 
 
SEO ハイライト(2012年1月〜3月) 理解しておきたい検索アルゴリズム事情
パンダ アップデート
Google は毎年、500回以上ものランキングアルゴリズムを変更していると明らかにしているが、その多くはマイナーチェンジであり、多くのウェブマスターがその変更に気付くようなことはない。しかし時として、国内外問わず多くのサイトの検索順位に影響が出るような大規模なアップデートが行われることもある。

近年は(一般企業にとっては)あまり大きな変化が見られなかった国内であるが、直近では特に SEO に力を入れている企業ほど、頭を悩ませるような状況が続いている。それは、2011年初頭に発表された、コンテンツのクオリティ評価に関する一連のアルゴリズム変更(パンダ アップデート、Panda Update)や、国内でも2011年夏以降に急増した、不適切な外部リンクに対する Google のアラートメッセージを通じた対応だ。また、SEO 目的のリンク供給用に用意された、相当数の Web サイト群が一斉に Google インデックスから削除される事象も複数確認されている。

今回は「パンダ アップデート」と、Google からの警告メッセージが増加傾向にある、問題の外部リンクについて簡単ながらポイントをまとめていきたい。

1.パンダ アップデートの現状

パンダ アップデートについて改めておさらいしよう。パンダ アップデートとは、Web ページのクオリティを評価して、人間にとって本当に役立つかどうかを機械的に判断しようとするための、一連のアルゴリズム変更を指す。

近年は、ユーザー(=人間)が読むと大して役に立たない文書であると容易に判別できるのに、検索アルゴリズムの基準では「適度に検索キーワードと合致性の高い文書である」と判断されてしまうために、結果として検索結果の上位が品質の低いページで埋まってしまうという問題がたびたび指摘されてきた。広告付きの決して品質の高くないコンテンツを日々、大量生産し(コンテンツファームと呼ぶ)、SEO を駆使することで需要の高い検索キーワードで軒並みランキング上位を独占するようなビジネスが登場してきたことも背景にある。

検索品質の低下は長期的には広告収入の低下やユーザー離れを引き起こす可能性がある。そこで Google が2011年に公式ブログでコンテンツ品質評価の見直しを行うことを発表し、翌月、実施されたのが最初のパンダ アップデートというわけだ。

このパンダ アップデートは周期的に実行され、その時点のインデックスを分析してサイトをフィルタリングする。Google が定めた基準に引っかかったサイトはフィルタリングされ、ランキングが調整されることになる。おおよそ4〜8週間ごとに更新が実施されており、2012年3月24日で12回目となった。

さて、2012年3月26日時点で Google は日本語、中国語、韓国語の3言語を除く世界各地でパンダ アップデートを適用していることが公式発表となっている。つまり、現時点で公式に日本ではパンダ アップデートは適用されていないわけだが、これは「日本ではまだ、パンダ アップデートが適用されていない」ことにはならない。導入が事後発表されるケースもあるからだ。

というのも、様々な情報を整理すると、もしかしたら日本国内でもパンダ アップデートが部分的には導入されている可能性があるのではないか、といえるような少なくない事例が観測できているためだ。たとえば、そもそも保有するコンテンツのクオリティが低いのに、そのコンテンツのシンジケーションによって成立しているような事業を展開するサイトを見ると、複数のサイトで多くのキーワードの検索順位が低下しているような事例が確認されている。同様に、オリジナリティが著しく低く、情報量が不足している EC サイトの一部でも、あまり順位が芳しくない状況になっている事例もある。

無論、筆者は Google の人間ではないし、本当のランキング下落の原因ははっきりと判定できないのであるが、しかし、いずれのケースも他に決定的な原因となる要素は見当たらない。ちなみに「部分的に導入」と書いたのは、たとえばパンダ アップデートの初期でよく話題となった、ページレイアウト(広告/コンテンツ)に関係しそうなサイトが(そもそも欧米でいうコンテンツファームに相当するようなサイトが少ないこともあるが)あまり影響を受けていないなど、欧米で話題となっているような「典型的なパンダ アップデート」の全てが日本国内でも当てはまってはいないためだ。

結局のところパンダ アップデートの導入状況がどうなっているかについてはわからないのであるが、一方で、おそらくコンテンツの品質及び数量に原因があるのだろうと推定される影響を受けたマーケティング担当者の相談も増えていることもあるため、ここでは(将来の正式導入を前に)準備できる事柄について簡単にポイントを押さえておこう。詳細は本連載の別の機会で触れたい。

パンダ アップデート 事前対策のポイント

ポイント1:EC サイトの場合、商品詳細(個別)ページのコンテンツの数量及び内容を確認する。たとえばメーカー公式説明文をそのままコピペしているだけのケース、そもそも商品説明がほとんど記載されていないような場合は要注意。取扱商品点数及びジャンルが限定されているのであれば、個別にセールスポイントや説明文を独自に作成する。点数が多い場合は重点商品を中心に、どう工夫をするか考える。たとえば欧米では外部のライターを雇い、個別に商品説明文を作成する企業は増えている。また、ユーザーレビューを活用して、UGC によってオリジナリティを確保しようというアプローチもある。

ポイント2:コンテンツシンジケーションの扱い。オリジナリティの低いコンテンツを自社内に大量に抱えることは、それがリスクとなる場合もある。Google はサイト全体を分析して、一定の低品質なコンテンツを抱えるサイトをフィルタリングするためだ。そのコンテンツ自体が自然リンクを得られる程度のものなのか? それは第三者視点で見て、そのサイトに含まれていたら役立つコンテンツなのか? という視点で考えてみる。

ポイント3:オリジナルなコンテンツを作成せよといわれると悩んでしまう人が多いのだが、ここでいうコンテンツは必ずしも「Web ページの文章」ではない。コンテンツ、すなわち話題を作ればいいので、たとえば調査/統計を発表する、メルマガを Web に展開する、ブログを一定頻度で更新する(無論、「今日のランチ」とかどうでもいい内容ではない)、勉強会やセミナーを開催する、新製品/新サービスを発表する、ホワイトペーパーを公開する、インタビューを受ける、など、発信できる話題を得る手段は様々ある。

2.Google が問題視する不自然なリンク

冒頭で述べたように、日本でも2011年夏以降、少なくない数のウェブマスター宛に、Google Webmaster Tools を通じた外部リンクについてのガイドライン違反を指摘する警告メッセージを送付している。Google は2010年末に、ウェブマスター宛の警告メッセージを積極的に送ることを明言しており、欧米では2011年初頭から行われてたものであるが、それが日本でも送付されるようになった。

とはいえ、外部リンクのガイドライン違反指摘が日常茶飯事だった欧米と違い、日本では突然ガイドライン違反を突き付けられて困惑したマーケティング担当者もいる模様だ。送付状況を探ると、主に SEO 目的に用意された Web サイト群から大量にリンクを集めることで検索上位に表示できていたサイト運営者に対して、そのリンク群が人為的に PageRank(リンクの評価)を高めるアプローチであるとして指摘を受けている。

従来ならこうした指摘なしにランキングが下げられていたケースも多かったことを考えれば、事前にメッセージで指摘してくれる分だけ Google の対応は親切だという見方もある。明らかに悪意のあるスパム的な施策をしているサイトには警告なしにペナルティを科すことを考えれば、随分とマシである。

現状では、ワードサラダ(意味不明な文章)サイトからのリンクや、一応コンテンツは用意されているけれども質量ともに明らかに不足しているサイトからのリンク、明らかに順位上昇用に用意されたサイトネットワークからのリンクが問題となっている模様だ。ただし、同様の手法をとっているのに警告を全く受けていないサイトもあるのだが、偶然フラグが立たなかったのか、全く別の理由があるのかわからない。ただ、少なくとも「競合が大丈夫そうだから」という理由は成り立たないので、客観的に見て品質に問題のあるリンクを受けている場合は、対応を検討しよう。

本件も同様に、いくつかのポイントを簡単にまとめておく。後日、本連載で改めて触れたい。

外部リンクのチェックポイント

ポイント1:SEO 会社にアウトソースしている場合は、必ずどのようなリンクが張られているのかを把握して、数や品質について理解しておく。相談を聞いていると、警告メッセージが届くまでアウトソース先の会社にどんな施策をしてもらっているのか理解していないケースもある。自社のサイトへのリンクは自分で確認することができるので、必ず自分でも把握しておく。SEO は本質的には自社サイトの運営の問題であり、アウトソース先に丸投げする姿勢は間違っていることを理解しよう。

ポイント2:Google からの警告メッセージを定期的に確認する。Google Webmaster Tools を通じた連絡となっているので、同ツールのアカウントを開設(無料)し、1週間に1度はメッセージボックスを確認しよう。もしメッセージが届いた場合は内容を確認して対応を検討する。現在、「流行っている」メッセージは、外部リンクが不適切である、PageRank を故意に操作することを目的としたリンクが張られていてガイドラインに違反する旨を指摘している。同様にサイト内部の問題を指摘するケースもあるが、いずれにせよガイドラインに違反しているという指摘を受けた場合はすぐに対処しよう。

ポイント3:今後の SEO に必要なのは、リンクを集めるのではなく「関係性を構築する、皆の信頼や共感を集める」という考え方である。たとえば有益なコンテンツを提供すれば、ユーザーが Twitter や Facebook、Google+、ブログなどのメディアを通じて広く共有してくれる。このように、コンテンツを提示することで、自然リンクを得るという、従来は半ば理想論的に掲げられていた考えを実戦していく必要がある時代になっていることを理解しよう。

(執筆:株式会社アイレップ 取締役 SEM 総合研究所所長 渡辺隆広)

記事提供:アイレップ
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