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チームの潜在能力を引き出すリーダー

木山 稔
2010年10月14日 / 10:40
 
 
● このコラムを読んでいただくにあたって

前回は、組織の戦闘力を上げる「自律型リーダー」に求められる要件について説明した。周囲を変える「変革する力」、周囲を巻き込み「実行する力」、そして実行する力のベースとなる「人と組織の能力を開発する力」の3つが重要な要素である。

今回は、人と組織の能力開発をするために「自律型リーダー」が実践している取り組み(行動)について話をする。さらに、自律型リーダーを目指し、今みなさんが心得るべきことについても最後にふれておく。

●人の能力を開発し引き出す

部下の育成がうまい上司とはどういう人だろうか?

困ったときに相談にのってくれる人、教え方がうまい人、コーチングで部下のモチベーションを向上させる人、専門的な知識を教えてくれる人、…。

私達の経験では、部下の能力を開発し発揮させることに長けているリーダーは、次の2つを大切にしている。

(1)部下との信頼関係
(2)育成の型を持つこと

「部下との信頼関係」は、人間関係のインフラ(基盤)である。育成にかかわらず、一緒に仕事をする際に最初に確立しておくべきことである。信頼関係がなければ、どんなすばらしい助言も、どんな適切な支援も、部下の心にはまったく響かない。逆にうるさがられるだけだ。この信頼関係は、部下のことを気にかける、話を聴く、仕事を任せて支援する、などを通じて構築される。

「育成の型」は、トラブルが発生したら教えるなどのような場当たり的 OJT ではなく、体系的に育成する方法を実践しているということである。育成の PDCA を部下と一緒にまわす際に、たとえば、以下の行動を必ず組み込んでいる(下図参照)。

リーダーの部下育成行動
リーダーの部下育成行動
*クリックして拡大
 
(Plan)部下と育成計画を立案:上司は目標達成に向けて躊躇する部下に対して、「意識を高めて後押し」、そして新しい業務のアサインなど「実践の場」を提供する。人は経験することによって成長し、経験するための適切な実践の場は、上司によって提供される。

(Check/Action)部下と育成状況を振り返り:人は振り返ることによって気づきを得、成長する。しかし、振り返りは日常業務の中に埋もれ、計画されていても、なかなか実行されないのが常である。この振り返りのきっかけをつくることが、上司の重要な仕事である。さらに、振り返りでは、日ごろの行動の観察から、正・負両方のフィードバックを部下に与えることも重要である。

● チームの能力を開発し引き出す

良いリーダーは人の能力だけでなく、チームの能力を開発し引き出す。

前回、リーダーの役割として、人だけでなく、組織の能力開発が重要であることを述べた。たとえば、業務改善をする際に「チームで問題解決するための共通言語」(組織能力)を組織が持っていれば能率が極めて高くなる、などである。

上記のアナロジーで、人と組織を育成する際に、「チームとして、人と組織を成長させるための方法」(組織能力)を組織に埋め込むことは極めて重要である。つまり、人が人を育てるのではなく、チーム全員が人を、チーム全員で組織を育てるのである。

リーダー自身がチームメンバーひとり一人を育てていては、手間がかかって大変である。また、自律型と称しているのだから、組織として、自走してもらわなければ困る。

育成の組織能力は、問題解決や振り返り習慣などの、いくつかのプリミティブな組織能力を組み合わせることによって実現できる。

●自律型リーダーに近づく道

最後に、ここで話したようなチームの能力を引き出す自律型リーダーを目指して、いま皆さんはどんなことをすればよいのだろうか。第1回9回コラムに記したように、自律型人材に向けて自己の成長を図ることに加えて、ひとつ提案したい。

それは、良いリーダーを見つけて、ついていくことである。良いリーダーはリーダー育成のパイプライン(若手からマネージャまでの育成の連鎖)を作っていることが多い。つまり、その育成連鎖の流れに飛び込むのである。

では、次に、良いリーダーの見分け方であるが、面倒見がよく育成してくれる人が良いリーダーとはかぎらない。大事なのは、目的達成のために最高を求め、妥協することがない、ぶれない、といことができているかである。一見すると厳しい人であることが多い。さらに、部下に重要な仕事を任せてやらせていることも、重要な要素のひとつである。

良い職場とは、人と組織が成長し組織として成果を出し続けている職場だ。楽しい職場ではなく、厳しい職場かもしれない。自分の好みの仕事ではないかもしれない。異動の機会があれば、ぜひ、人と組織が成長する職場が選んで希望してみよう。

●まとめ

この回では、リーダーが人と組織の能力開発するため実践している取り組みについて説明した。「部下との信頼関係」を構築すること、「部下育成の型」をもつこと、「組織として学習し成長する組織能力」を開発すること、の3つが重要な要素である。

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