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製品ラインアップの増加は注意深く−「ワンソース・マルチユース」で収益性を高める

ブレイン株式会社 代表取締役 天毛伸一
2010年6月25日 / 10:00
 
 
私が SaaS ビジネスを展開していく上で、参考にしているビジネスに映画産業があります。「映画」というビジネスモデルにおいては、映画館で上映→販売用 DVD→レンタル DVD→有料放送(衛星放送など)→無料放送(テレビの地上波)という具合に、ひとつのコンテンツを形を変えて何度も販売し、各フェーズで収益をあげることが当たり前になっています。これがワンソース・マルチユース(OneSource Multi Uses)という考え方です。

20代前半の頃、アメリカ西海岸で生活していた時期があり、現在はインターネットの普及で流通チャネルが増えたので、この方式はさらに進化していますが、当時ハリウッドの映画会社がこのワンソース・マルチユースで高収益をあげていることを知りました。

ソフトウェアも映画と同じくコンテンツ産業ですから、この”ハリウッド方式”を応用することで、収益性を高めることができます。

当社の場合、SaaS 型のメール配信システム・ブレインメールには「レンタル型(共有)」「レンタル型(専用)」「導入型」「OEM 提供」の4種類があります。一見別々のサービスに見えますが、元になるソフトウェアはひとつだけです。それをお客様のニーズに合わせて提供方法を変えることによって、ワンソース・マルチユースで複数の収益機会を作り出しています。

また興味深いことに、これら4種類のサービスの売上げ比率は、4:2:2:2と自然にバランスがとれており、どれかひとつのサービスの売れゆきが悪くなっても全体の売上げが一気に下がらないという、リスク分散の機能も果たしています。

映画もソフトウェアも同じで、質の良いコンテンツを製作(開発)したら、言葉は悪いですが、それを徹底的に使い回して収益性を高めるべきです。いったん製作費や開発費を回収してしまえば、その後の売上げはイコールほぼ利益になります。逆に次から次へと新しいソフトウェアを開発して販売するのは、開発費がかさみあまり効率が良いとはいえませんし、開発費を回収できないリスクを常にかかえることになります。

SaaS 事業は中長期戦略で取り組むビジネスゆえに、長期間にわたり多くのお客様に使って頂けるベーシックで競争力の高いソフトウェアを開発し、それをワンソース・マルチユースの”ハリウッド方式”で多くのお客様に販売するという手法が適しているように思います。

その手法をさらに進化させたのが、ソフトウェアの多言語化です。簡単に言うと、自社製品の英語版や中国語版を作って海外向けに販売するということ。映画でいえば、アメリカで製作したハリウッド映画を字幕をつけて日本向けに販売するという話です。こういった手法はアメリカが進んでいて、例えばマイクロソフトの Windows は20種類以上の言語バージョンが作られ、世界各国に販売されています。

日本で開発されたソフトウェアであっても、同じことが可能なはずです。しかも、SaaS であれば製品の配送など物流が必要なく、インターネット経由で販売できるわけですから、これほど海外展開に適したビジネスはないといえます。

繰り返しになりますが、重要なのは色々な製品ラインナップを増やすことも大切ですが、トレンドに左右されず長く使ってもらえる質の高いソフトウェアを開発し、海外展開も含めたワンソース・マルチユース戦略で販売することが SaaS 事業を大きく成長させるポイントになると思います。

(執筆:ブレイン株式会社 代表取締役 天毛伸一)

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