ミクシィは10月27日、携帯電話用「mixi モバイル」で「mixi アプリ」の公開を開始し、PC 版「mixi」で先行公開していた同サービスをフルオープンした。

mixi アプリ」とは、その名のとおり SNS「mixi」上で動作するアプリケーションサービスで、アプリは法人・個人を問わず、開発し、投稿することができる。サービス開始後に japan.internet.com が実施した調査では、mixi ユーザーの半数近くが利用しているという結果が出るなど、早くも多くのユーザーに受け入れられているようだ。

では、これまで日記を中心としたコミュニケーションサービスを提供してきた「mixi」で、アプリサービスを開始した狙いはどこにあるのだろうか。モバイル版「mixi アプリ」発表を目前に控えたなか、株式会社ミクシィ 代表取締役社長の笠原健治氏に話を聞いた。

株式会社ミクシィ 代表取締役社長 笠原健治氏
株式会社ミクシィ 代表取締役社長
笠原健治氏

*クリックして拡大

――現在の「mixi」の利用状況を教えてください。

今年の6月30日時点での利用者は1,741万人を超えました。月間の PV(ページビュー)は150.6億 PV(PC:40.7億 PV+モバイル:109.9億 PV)と、モバイルでの利用が PC の2倍以上となっています。

PC においては、先日サービスを開始した「mixi アプリ」、日記やコミュニティ、ボイスなどが、全体的に底上げされてきていると考えています。

――「mixi アプリ」が生まれた背景ついて教えてください。

笠原氏
「mixi」のサービスを開始して5年が経ちましたが、これまでは日記を中心としたコミュ二ケーションサービスをユーザーの皆さんに使ってもらうことで、成長してこれたと考えています。一方で、5年先を見据えた場合、日記だけいいのかというと、そうではないと思っています。

ユーザーによって、“もう少しライトなコミュニケーションサービスが良い”、“もう少しエンタメ性が強いものが良い”など、様々なニーズがあると思いますが、弊社一社だけで1,700万人のユーザーに対して、個々のニーズに合ったコミュ二ケーションサービスを提供していくのには、限界があると思うんです。

そこで、あらゆる企業や個人の方を巻き込んで、便利で面白い、新しいコミュニケーションサービスを作っていこうというコンセプトのもと生まれたのが「mixi アプリ」です。

1本1本、アプリを提供することはミクシィだけでもできますが、それを中長期的に続けていき、かつそれらを無数に出していくという体制は、一社では難しいと考えています。それなら、多くのパートナーの皆さんと、そこにしっかりと魅力的な市場を作るほうが意味があると思ったんです。

――現在、多くのアプリが提供されていますが、どのようなアプリに人気がありますか?

現在最も利用者の多い「サンシャイン牧場」(プレイヤーが畑仕事をしたり動植物を育てられる牧場経営ゲーム。10月22日現在の利用者数は約200万人)などは良い例ですが、いかにソーシャル化、マイミクとのコミュニケーションを取れるかが重要だと思います。

当然、ゲームのシナリオや完成度も大切ですが、ユーザーはそれよりも、マイミクから牧場に虫を入れられたり、自分が作った作物を他のマイミクに摘み取られたり、逆に誰かの牧場に水を上げたり、といった駆け引きや、“サンシャイン牧場というルール”の上でのコミュニケーションを楽しんでいるんです。

実際に人気のアプリもそういった傾向があります。単純にすでにある人気ゲームを「mixi アプリ」に移植しただけではインパクトが弱くて、いかにマイミクと競わせるか、協力してコミュニケーションさせるかがしっかりとできているアプリには人気がありますね。

サンシャイン牧場
サンシャイン牧場
*クリックして拡大

弊社では、“全国大会”と“マイミク大会”という呼び方をしているんですが、一般的なコミュ二ティサイトやオンラインゲームは、全国からあるテーマに対して興味のある人が集まってきて、コミュニケーションしたり競い合う、いわば“全国大会”だと思います。一方、「mixi」はコンテンツゲームをやりたくて集まってくるというよりは、マイミクとのコミュニケーションを目的として集まってきている“マイミク大会”なんです。

平均すると、「mixi」における1人あたりのマイミクの数は25人なんですが、1,700万人が1つの場を共有しているのではなく、25人程度の小さいコミュニティが1,700万通りあるのが「mixi」だと思っています。その構造をしっかりと理解しているアプリが伸びていると思います。

これからもこういった面白いアプリが沢山出てくるのではないかと期待しています。

――まもなく「mixi アプリ」のモバイル版も開始されますね。

モバイル版は、PC 版よりもトラフィック量(PV)が多いので、より多くの人にアプリが使われる可能性があると思っています。

PC だと日中使える人は限られてきますが、携帯なら常時見ることができるので、高いアクセスが見込めるのではないかと考えています。また、11月からはアプリで課金できるサービスも開始する予定です。こちらは、まず課金しやすいモバイルから提供していきたいと考えています。

後編では、デベロッパー(開発者)にとっての「mixi アプリ」の価値や、笠原氏が考える同社の今後の展望などについて聞いていく。