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【クラウドソーシング事例】3万円で世界中からクールなデザインを集める方法

ループス・コミュニケーションズ 代表取締役 斉藤 徹
2009年4月9日 / 10:00
 
 
クラウドソーシングは単なるコンセプトではない。すべての会社のコスト削減と品質向上に貢献する実践的なサービスである。このコラムでは、そのような「使える」クラウドソーシングサイトを数回にわたりご紹介したいと思う。

まずは、企業ロゴやブランドロゴ、名刺、レターヘッド、Web サイトなどのデザインから。小物ではあるが企業にとってイメージを印象づける大切なデザイン。いつものデザイナーに依頼したが、予算のせいかどれも今ひとつ満足いかない。でも複数のデザイナーから選ぶとかなりのコスト高になってしまう。そんなストレスを感じたことはないだろうか?

そんなあなたに、「クラウドソーシングの世界」から朗報をお届けしたい。

1万8,000人を超える世界中の個性あふれるデザイナーが、あなたのリクエストにしたがって高品質なデザイン案を作成し、その中で最も気に入ったデザインにのみ3万円を支払えば良いという夢のような話を、クラウドソーシングの仕組みが実現しているのだ。

crowdSPRING」というサイトがそれである。

crowdSPRING
crowdSPRING
具体的な依頼の流れを見てみよう。まず次のようなコメントでデザインのコンペを依頼する。

■Creative Brief
・LET ME TELL YOU ABOUT US:簡単な自己紹介を最初に
・HERE IS WHAT WE NEED:具体的なデザインの依頼を
・OUR TARGET AUDIENCE IS:対象とする顧客を
・WE LIKE THESE DESIGNS:見本となるカラーやトーン等。具体的なイメージをリクエスト

英語だが、シンプルにそれぞれ2〜3行以内で良いので難しくない。

これを作成した後、コンペ価格(賞金)を提示する。平均が$50程度であるが、ロゴだと$30程度のものも目立つ。応募期間は1週間が多いようだ。では、実際にサイト内にある事例を見てみよう。

・「Noble State Logo」 http://www.crowdspring.com/projects/graphic_design/logo/noble_state

こちらを見て欲しい。賞金$303、日本円で3万円のロゴデザインのコンペに対して、169の高品質で多様なデザインが集まっている。発注者は最も気に入ったデザインのみ採用し、提示した賞金を出す。ここで crowdSPRING の取り分は賞金の15%のみだ。また発注者は、コンペの最中にデザイナーのプロフィールや過去の作品を閲覧でき、オープンな掲示版を通じてより具体的なやりとりをすることも可能である。

企業が抱えるデザインの悩みを、とてもシンプルな仕組みで解決しているこのサイト。当然、人気はうなぎのぼりである。Compete という米国サイトのアクセス状況の推移を公開しているサイトでみるとこんな感じだ。

crowdSPRING アクセス予測
crowdSPRING アクセス予測
1年で急成長、ユニークユーザーは8万人を超えたようだ。あくまで Compete 推定値だが。

このサイトのすばらしさは、そのシンプルな使い勝手にある。またこの手のサービスの決め手は、需要と供給のバランスをとりながら成長スパイラルに乗せることだ。おそらく利用企業の満足度は相当高いだろうし、クチコミで広く伝わっているのが予想できる。

集合知のメカニズムは「競争」(オープン・コンペティション)だが、デザイナー同士が他者作品を見ることで参考にできるため「共創」の要素も含んでいる。

今後、このコラムでは、このような「実際に使える」クラウドソーシングサイトを紹介していくが、彼らが対象としている専門系クラウドの多くは、インドや東欧といった人件費の安いエリアの優秀な人材である。

東京の平均月収が約31万円なのに対して、インド・ムンバイは1/10以下の約2.8万円。ロゴ1本、3万円を月に一度獲得できれば御の字だ。在宅での副業も可能となるとかなり割の良い収入なのだ。このような理由から、世界から続々腕自慢の技術者がクラウドソーシングに参加しはじめている。クラウドソーシング化がすすむにつれ、英語対応力が企業にとって根本的な競争格差となることは確実だろう。

海外のローコストで優秀なマンパワーを活用するのは、もはや工場進出できる大企業の専売特許ではない。海外に人脈も出張も不要だ。電話する必要すらない。

すべての企業の PC 上に、そのチャンスとピンチが均等に存在している。ボーダーレスな世界、それがクラウドソーシングの本質なのだ。

執筆:株式会社ループス・コミュニケーションズ 代表取締役 斉藤 徹
監修:株式会社ワールド・カフェ 代表取締役 笠原 造
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