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Outlook 2007 は Eメールを破壊するのか

Brian Livingston
2007年4月19日 / 09:00
 
 
 
Microsoft Outlook 2003 や Outlook Express から Outlook 2007 に切り替えた人の多くは、受信したメッセージが変に表示されるという影響を受けるようになる。

これは Outlook 2007 では、HTML を総じてうまく扱える Internet Explorer のレンダリング技術を使わないようになったためだ。代わりに Outlook 2007 は、Windows 版 Word を使ってメッセージを表示させている。Word は HTML をめちゃくちゃにすることで有名だ。

あらゆる種類のメールプログラムで、Eメールが正常に働くように監督するのを専門とする会社、Campaign Monitor の重役 David Greiner 氏は、最近 Outlook 2007 は「5年前の Eメールの様式のようだ」と書いている

Outlook 2007 が他の多くのメールプログラムでは正常に表示できるメッセージを、どれほどめちゃくちゃにしてしまうのかを正確に示す無料の情報だ。

Outlook 2007 がどれほどひどいかを示す無料のガイド

まず初めに、現在 HTML 標準コミュニティでは、Eメールをプレーンテキストで送るのか、それとも HTML のさまざまなフォントや色を使って送るのかについて議論がなされているわけではないことを伝えておくことが大事だ。

当然送信者により結果はまちまちだが、顧客と Eメールでやり取りする会社のほとんどで、HTML 文書で送った方がプレインテキスト文書よりも回答率が高いことがわかっている。メールコンサルタント Jeanne Jennings が行った非公式の調査で、回答率が50%も高くなる場合があることがわかった。

今後人々はモールス信号を使った通信に戻ることがないのと同様に、HTML を使って Eメール文書の書式設定を行うことを止めることもない。きれいな HTML 形式のメッセージを受け取るか、単調なプレインテキストを受け取るか選択できるなら、圧倒的多数の消費者は、調査したほとんどすべてのケースで HTML を選択する。

これが、Outlook 2007 が10年以上にわたり主流だった HTML 標準にうまく対応していないのがかなり衝撃的なことであるひとつの理由だ。

Eメールに関する問題解決を専門にする会社 Pivotal Veracity は、Outlook 2007 の新たな弱点を示す PowerPoint による無料の資料を配布している。

この中で、Microsoft の古い Outlook Express を含め、Outlook の旧バージョンでは問題なく表示されたメッセージが、Outlook 2007 では組み立て前のジグソーパズルのように表示されてしまう例がいくつか紹介されている。

Outlook 2007 はどんな悪事を働くのか

基本的な問題として、Internet Explorer と違い Windows 用 Word が HTML 標準にうまく対応していないことがあげられる。HTML 標準とは、Web コンテンツをより簡素化し予見性を加えるために数年前に開発されたもの。この標準には CSS(カスケーディングスタイルシート)としても知られる“スタイル”が含まれる。メッセージの作成者は、スタイルを使って文頭でフォント、色などを定義できるようになり、文中で繰り返しそれらを定義する必要がなくなり、時間と帯域幅を節約できる。

Outlook 2007 が正常に対処できない機能の一部を以下に記す。

背景色
背景色が加わると、メールの一部を際立たせるのに役立ち、はるかに読みやすくなる。しかし、現在 Outlook 2007 ではメッセージ内にネスト化された要素に背景色を表示させることができない。

配置
標準スタイルを使えば、メッセージ内のひとつの要素を他の要素の左右どちらに配置するのかを簡単に決めることができる。しかし、Outlook 2007 にはこのような配置機能が欠けているようで、メッセージ内に各エレメントがごちゃごちゃに配置されてしまう。

間隔
Word のバックエンドの機能の制限を受け、Outlook 2007 はテキストや他のオブジェクト周囲のマージンやパッディングなど、メッセージの初歩的なスタイルにさえ対応できなくなった。

この問題について Microsoft の見解

Web Standards Project のリーダー Molly Holzschlag 氏は、Microsoft がメールを作成するときと表示するときと同じバックエンドを使いたかった、と自身の Blog で書いている。

何年もの間、Outlook のさまざまなバージョンで、メッセージを作成する際のワードプロセッサとして Microsoft Word を使ってきた。Word は標準 HTML コードの作成が不得意だったために、受信者側の Outlook が IE を使ってメッセージを表示した際に、異なって表示されることが間々あった。

残念ながら、Microsoft は Word の能力を IE のレベルに上げる代わりに、Outlook 2007 のレンダリング機能を Word レベルに下げる方を選んだのだ。

Microsoft は、Word 2007 そして今や Outlook 2007 までが対応していない HTML 標準について説明した文書を掲載している。

また同社は、Outlook 2007 が理解できくなったメッセージの特性を警告するための検証ソフトを、無料でダウンロードできるように提供している。

私が言える限りでは、 Microsoft はセキュリティ上の問題ゆえに IE のレンダリングエンジンを Word のエンジンに変えたというわけではなかったということだ。ほとんどの PC ユーザーは、旧バージョンの Outlook が悪役のハッカーがばらまくメールウイルスを実行することで有名だということを知っている。

しかし、Outlook 2000 以前のバージョンでは、手に負えない状況を引き起こしかねない IE の“信頼済みサイトゾーン”でメッセージを開いていたことにより、このようなセキュリティ上のリスクが存在していた。Microsoft は2001年、Outlook 2000で Eメールの添付ファイルについてのセキュリティ上のアップデートを公表し、この問題を修正した。そして Outlook の後続バージョンでは、損害を少なく抑えることのできる“制限付きサイトゾーン”でメールを開くようになった。

いや、Outlook 2007 の弱点は、Microsoft の開発者がメッセージを作成するのと同じエンジンを使ってメッセージを表示することで、自分達の仕事を少し楽にするという選択をしたためなのだ。

Outlook 2007 の弱点にどのように対処するのか

Pivotal Veracity のクライアントサービス担当副社長の Michelle Eichner 氏は、「 Outlook 2007 では、Word のレンダリングエンジンから IE のレンダリングエンジンに変えるというオプションはない」とし、「Word では IE と同様には表示できないことが必ず出てくる」と語っている。

だからといって、Word が改善されることはないという意味でない。主に E メールで顧客とやり取りする企業は、Microsoft に対し、Word が Web 標準に未対応であることは、同社が修正しなければならない点であるとはっきりと示すことができる。

それが叶うまで、メール作成者には、この新しいメールプログラムが実際に理解できる基本的な技術のみを使ってメッセージを簡単にするという対応が迫られる。メール受信者のおよそ75%が、Outlook または Outlook Express のいずれかのバージョンを使用しており、このユーザーのうち大部分がまもなく Outlook 2007 を使用することになることが予想されるため、Microsoft は再び“最小公分母”の定義を我々に示すことになる。

Pivotal Veracity の43ページにわたる PowerPoint の資料は、Outlook 2007 でできることとできないことを理解するのに役立つ。同社のスペシャルレポートページを訪れ、コピーを手に入れてほしい。無料のメールアドレスの登録が必要で、提供したアドレス宛にレポートが送られてくる。

Pivotal Veracity は評判のいい会社で、特に要請がない限り、提供されたメールアドレスを公開したり、その他の使用を行ったりしないと明言している。是非見るべきレポートだと思う。
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