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Google Analytics

ビービット
2005年12月6日 / 09:00
 
 
近頃インターネット業界を賑やかしている Google が、 今度は「Google Analytics」という無料のアクセスログ解析サービスをリリースしました。

Google Analytics は、 Google がアクセスログ解析ソフト大手の Urchin 社を今年初めに買収して開発した、 無料の Web ログ解析ソフトで、 一番の特徴はなんと言っても「高機能かつ無料」であるということでしょう。

無料ゆえに、 企業でも個人でも、 「取りあえず導入してみようかどうか考えている」といった声をよく聞きます。

ビービットでも GoogleAnalytics を導入して、現在その機能を分析中です。

このサービスに絡んで、 Google の今後の戦略や、 アクセスログおよびネット広告業界へのインパクトなどは、 多くの人が解説しているところですので、 今回はより実務よりの話として、 GoogleAnalytics 導入を検討する上でのポイントに触れたいと思います。

Urchin がサーバーに蓄積されたアクセスログを解析しているのに対して、 Google Analytics は cookie を用いた解析をしており、 新機能がいくつか追加されています。 そこで Google Analytics の機能を、 「導入面」「運用面」「(Urchin と比較した)解析項目」に分けて見てみます。

■導入面

メリット
 *サービス自体が無料

デメリット
 *解析を行うにはタグの埋め込みが必要となり、多少の作業負荷がかかる
 *cookie の配布、データの Google への帰属など、 企業での採用時にはコンプライアンス上問題となる可能性がある(Google Analytics の「利用規約」では、 収集したデータは Google および子会社が保持、使用できると記載)
 *タグを埋め込む以前のアクセスログをインポートできず、 蓄積した数値のトレンドを活かせない

アクセスログの数値は解析ソフトにより大きくずれますので、 Google Analytics を導入する場合には、 また一からトレンドを追い直すことになりそうです。

■運用面

メリット
 *最新のログ解析結果が随時参照できる
 *アドワーズ広告の効果測定が容易に行え、広告出稿の最適化が実現

デメリット
 *無料バージョンの場合、 解析の範囲は500万PVに限定(ただし、アドワーズアカウントを有していれば無制限)
 *ASP サービスゆえ、 Google の状況にすべてが依存する (現在も新規追加ができない、レポートが安定的に見られないなどのトラブルあり)

広告の効果検証が随時行えることで、 Google が言うように「同じ広告費用で、より多くのコンバージョンを獲得」できるようになる可能性があるでしょう。 さらに、同じコンバージョンなら、 より広告費用を削減できるとも言え、 闇雲に広告を打っていたような企業にとっては、 大きな運営メリットがあると考えられます。

■Urchin と比較した解析項目

 *Urchin で解析できた項目はほぼ全て網羅
 *アドワーズ、オーバチュア等の広告活動の追跡、投資対効果の算出が可能
 *コンバージョン機能が充実
   ・コンバージョン:目標を自由に設定し、 全アクセスのうち目標に転換したコンバージョン率を算出
 *cookie の使用によって、より正確なセッション数が把握可能
 *Urchin にはなく、新たに追加された機能のうち、 利用価値が特に高いと思われるものは以下の通り
   ・ユニークユーザー:新規訪問、リピート訪問ユーザー数
   ・動的ページ :Flash、JavaScript イベント等が追跡可能
   ・Web デザイン情報:解像度、Java 有効率、接続速度

Google Analytics は、 Urchin のようなサーバーログ解析型ソフト+タグ埋め込み型ソフトの双方の機能をほぼ網羅していることに加え、 広告効果検証や、コンバージョンという概念を重視している点で、 非常に高機能であることは間違いありません。

サイトの目的やユーザーのサイト内での行動仮説を明確に想定しているサイトにとっては、特に効果を発揮します。

難点があるとすれば、解析項目が非常に多く、 さらにそれらが「経営層向け」「マーケティング担当者向け」 「Web マスター向け」と、 ユーザーや企業体によっては解釈が異なる分類となっていることで、 使いこなすまでに相当の習熟が必要となります。

ただし、無料ゆえに Google Analytics を利用するユーザーは確実に増え、 それに伴いツールの使い方、 解析の仕方といったあらゆるナレッジが増大していくことは、 時間の問題だと思われます。 近々、「Google Analytics Hacks」といった解説本も出版されるかもしれません。

■今後の動き

このような高機能なツールが(少なくとも今のところ)無料であるということは、 アクセスログ解析それ自体には意味がないことを意味しているような気がします。 その結果をいかに次の施策につなげるか、 つまりは分析力、応用力、活用力が使用する側に問われていると言えるでしょう。

その最も分かりやすい端的な題材は、 直接費用が発生する広告です。それゆえ、 これまでも Web サイト運営者は、 広告に対する費用対効果にはそれなりに敏感に反応していたでしょうし、 このツールのおかげでより広告費の投資対効果を見るようになるでしょう。

しかしサイトは広告だけで成り立っている訳ではありません。 もし Google Analytics を無料で導入したとして、 これだけの機能を広告出稿の最適化だけに留めるのはもったいない話です。

サイトの目的やユーザーがサイト内でコンバージョンするまでの行動仮説を踏まえた、 サイト内行動全体の検証を行い、 随時最適化を図るツールにしていく必要があるでしょう。

逆説的な見方をすれば、 サイト内行動におけるコンバージョンを見据えない限りは、 広告出稿の最適化が行えないことを、 Google は広告主にアラートしているとも捉えられます。 そして、 広告出稿が最適に行われることは、 Google と広告主との間に Win-Win の関係を築くことに他ならず、 両者の収益拡大を実現することに繋がります。

その意味で、 現在多くのネット広告で、 広告代理店だけが Win となっているケースが少なくないとも言えます。 Google Analytics により広告代理店が必要となくなるのであれば、 その分コスト削減につながりますし、 そのコストをさらに広告やサイト制作に投入することもできます。

また、この流れに関連して、 費用対効果が問われない広告はますます廃れていくでしょう。 これは、ネット広告だけに限った話ではありません。 テレビ、新聞、ラジオ、 あらゆるメディアの価値が再定義される契機を、 Google のサービス群は提供しているような気がします。 (記事提供:ビービット

記事提供:ビービット
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