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Enterprise Search Summit 2004(中編)

ファンサイド
2004年5月24日 / 00:00
 
 
5月11日と12日、 New York にて開催された Enterprise Search Summit 2004 に参加し、米国のエンタープライズサーチの状況について視察してきた。 今回はそのレポートの2回目である。(1回目はこちら

■エンタープライズサーチ導入シミュレート

エンタープライズサーチを実際に導入・改善しようとするのは、 どういう場合だろうか?  シミュレートしてみる。

あなたは新任の Web マスターだ。 自宅でネットサーフィンをするのは好きだし、 営業やマーケティングの経験もある。 が、自社の Web サイトの企画や運営を直接担当するのは初めてだ。 緊張しつつもやる気に満ちている。 ミッションは、 自社サイトのページビューをアップさせること、 商品情報やサポート情報をエンドユーザーに閲覧してもらうこと、 そしてオンラインショップでの購買率を上げること、 の3点である。

Web マーケティングや SEO を研究し、 自社サイトのトップページへの訪問者数を上げることについての目処は立った。 が、肝心のサイトの中身が問題のようだ。

アクセスログ解析をしてみても、 商品の詳細情報を閲覧しているユーザー数は少ないことがわかる。 カスタマサポート窓口には「Web サイトを見てみてもよくわからなかったから」という電話が掛かってくる。

社内でも、自社サイトは使いづらいとの声をよく聞く。 「出先で顧客にプレゼンテーションしようと思ったときに、 資料が見つけづらかった」 「サイト内検索をかけてみたら、 古い資料や、 バージョンが微妙に違うものが結果に出てきてしまい、 どれが正しいかわからなくてかえって困った」という苦情を営業担当者から受けた。

オンラインショップでも、 トップページに掲載している新発売商品の売れ行きこそまずまずだが、 発売後しばらく経つと、 サイト内部に埋もれてしまうためか、売れ行きががたっと落ちる。

Web サイトの更新作業を実際に行っている人間にヒヤリングしてみた。 「部署間でフォーマットがばらばら」 「どこにどのドキュメントを載せるか、 そして、 いつ掲載をやめるのかがきちんと決められていないので、 同じ内容が重複している可能性がある」 「言葉遣いの社内ルールがないので、 書く人間によって微妙に違うことがある」などの問題点があることがわかった。

あなたは大掛かりなサイトリニューアルを決心する。 上司や社内の関係者を地道に説得し、 非公式だが全員から賛同を得られた。 自社サイトを開設して5年目であり、 コンテンツも充実しているのに、 それが十分使いこなされていないという問題意識は、 社内で共有されているものだったのだ。

ビジュアルデザインも重要だが、 情報の整理整頓とコンテンツ制作・運用ルールの策定が急務であり、 それらがなくては自分のミッションは達成できない、 というのがあなたの見解だ。

リニューアルのためのタスクフォースを結成し、 やるべきことをリストアップする。 その中で出てくるのが、 自社サイトの検索機能の改善、 すなわちエンタープライズサーチへのアプローチである。

■メタデータと情報分類――エンタープライズサーチの前提

最初は、 エンジンさえいいものを導入すればいい検索結果が出るようになるのではないか、 と考えるが、 問題は検索対象であるコンテンツ自体にあるということにやがて気づく。

商品パンフレットや企画書などをそのままの形でばらばらに Web ページ化しているケースが多いので、 検索精度が低いのだ。 ひどい場合は、 正式商品名を検索語として入力したのに、 商品紹介ページが検索結果に出ないということすらあった。

では、どうやって改善をしていくか?  膨大な量の Web ページをすべて一から作り直すのはナンセンスであろう。 検索エンジンが、 Web ページの内容と性質を判断するのに、 コンテンツの内容そのものに頼るのではなく、 コンテンツ内容を表現するラベルをつけ、 そのラベルのフォーマットを統一して扱いやすくすることを、 あなたは考える。

オフィス机の整理と同じだ。 書類をばらばらに単体で扱うのではなく、 それらを内容に応じてファイルに分類し、 ファイルにわかりやすいラベルをつけて取り出しやすくするのだ。

エンタープライズサーチにおいては、 そのラベルはメタデータ、 そしてラベルの作り方についての体系・決めごとはタクソノミー(分類)と呼ばれ、 これらはエンタープライズサーチを考えるにあたってすでに必須の要素となっていることを、 あなたは知る。

■メタデータ戦略とファセット分類

ここで Enterprise Search Summit 2004 に話が戻るのだが、 実は、カンファレンスに先立って行われたワークショップで、 なぜメタデータやタクソノミーがテーマとされていたのか、 その理由を、 上記のシミュレーションで述べていたのである。

効果的なメタデータを付与することで、 それまでばらばらで孤立していた個別のコンテンツに関係性をもたらすことができ、 有効活用することが可能になる。

また、昨今では、 Yahoo が行っているような、 ひとつの大きなカテゴリ体系にすべてのコンテンツを入れこむ分類手法を用いるだけでは、 特に企業サイトの検索では使い勝手がよくないということがわかってきている。

その代わりに、 ひとつのコンテンツが複数の性質を持っていることを前提とし、 それぞれの側面から絞込みを行うために、 複数の独立したカテゴリ体系を設定する手法(ファセット分類と呼ばれる)が広まってきている。

ワークショップでも、 小グループに分かれてファセット分類演習が行われた。 分類を支援する各種ツールも米国には豊富に存在するが、 それらの特徴も紹介されていた。

今回はプレカンファレンスのワークショップについて紹介したが、 次回はカンファレンス本番の詳細についてレポートしていく。

記事提供:ファンサイド
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