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検索エンジン対策の進め方――7

株式会社エイ・アンド・ジー 磯部克司
2003年3月10日 / 00:00
 
 

第7回 SEO の実践「対策対象とする検索サイトを定める」

今回は、SEO(検索エンジン最適化)を進める上で、検索エンジン対策の対象とする検索エンジンを定めるという話題に触れてみたい。

世の中に検索エンジンは山ほどある。山ほどあるというのは、Yahoo! や Google などのメジャーな検索エンジンから、地域限定やワインや家具に特化した専門型検索エンジンなどの検索エンジンまで様々という意味だ。日本に限定しても、その数は1,000を超えるのではないだろうか。さて、このように山ほどある検索エンジンの中で、どの検索エンジンをターゲットにして検索エンジン対策を進めるか、そのポイントと業界動向を書いてみよう。 まず、選定基準としては、以下のようなポイントが挙げられるだろう。

1. マーケットシェア
2. 表示順位付けのアルゴリズムの明確さ
3. インデックスページの多さ
4. インデックス更新頻度
5. スパイダーのクロール頻度

まず1番目のマーケットシェアについてだが、これは最も重要な要素だろう。トラフィックの少ない検索エンジンを対象にして検索エンジン対策をしても意味がないからだ。日本での検索エンジンのマーケットシェアについて、ある調査では Yahoo!JAPAN 6割、MSN 2割、Google 1割強、インフォシーク1割というデータがある。

このデータをみると、日本では Yahoo!JAPAN のシェアが圧倒的なのがわかる。しかし、実際には Yahoo ではページ検索に Google の検索結果を使っており、また、Google は国内外の様々な検索エンジンに対して検索結果を供給している。それを考え合わせると Google の位置づけは実質的に高くなる。ところで、Yahoo への偏りは日本に顕著なもので、全世界レベルでシェアを見てみると、大まかに言って、Google が5割、Yahoo が2割、MSN が1割といった順で続く。

2番目、表示順位付けのアルゴリズムの明確さだが、これも重要なポイントだ。アルゴリズムがわからなければ対策のしようがないからだ。しかし、この表示順位のアルゴリズムについては検索エンジンの側から明確にされている例はほとんどない。したがって私たち SEO 業者や多くの研究者達は、日々そのアルゴリズムを追跡し、研究している。そんな中で比較的アルゴリズムが明確になっているものが Google だ。Google については、PageRank テクノロジーの概念が公にされているし、なによりも世界的にディスカッションボードや研究論文が充実しているので、検索エンジン対策上、非常に有利だ。逆に Yahoo! ディレクトリをはじめとするディレクトリ型の検索エンジンの場合、その表示順位はディレクトリ側の独自の基準で順位付けされており、SEO によって順位を上げることは実質的に不可能だ。

3番目のインデックスページの多さは、普段はあまり気にしないかもしれないが、インデックスされているページが多ければ、それはすなわち1番のマーケットシェア獲得上有利なこととなる。

4番目のインデックスの更新頻度と5番のスパイダーのクロール頻度は密接に関係している。ここでも比較的明確なデータがあるのが Google だ。基本的には Deep crawl という1カ月に1度のクロールがあり、その結果が約1カ月後にデータベースのインデックスに反映される。しかし、Google では Fresh crawl という巡回も行っており、サイトによって異なるが、毎日 Freshbot が訪れたり、2、3日に一度 Freshbot が巡回にやってきて、その結果も2日程度でインデックスに反映される。これは、検索エンジン対策を行う上で非常に好都合なことだ。Fresh crawl では検索エンジン最適化の結果が非常に早くわかるし、前者の Deep crawl の場合でも、最適化結果をアップデートすべきタイミングとその結果が出る時期を予測できるからだ。

スパイダーのクロール頻度という点では FAST が頻繁に Crawler を走らせているが、いかんせんマーケットシェアが低すぎる。また、その他の検索エンジンについては、クロール頻度やデータベース更新頻度が不定期で、実質的に予測不可能なものとなっている。

ここまでみてくると、検索エンジン最適化(検索エンジン対策)のターゲットとして Google が非常に有利なことがわかると思う。結果も明確に出るし、マーケットシェアや他の検索エンジンとの提携(検索結果の供給)という点から考えても、まずは Google をターゲットとして検索エンジン対策を行うのがトラフィックを誘導するのに非常に有利なことがわかる。

さて、最後に検索エンジンをめぐる市場動向についてふれておこう。市場動向次第でここに書いた検索エンジン選びの基準が変わってくるかもしれないからだ。お断りしておくが、この市場動向は2003年3月現在のもので、1年後にこの記事を読んだ読者は「何を的外れなことを・・・」と思われるかもしれないが、どうかご容赦いただきたい。

まず、世界レベルの動向を見ると、Overture が AltaVista の買収と FAST の検索部門の買収を相次いで発表した。Overture はご存知のとおり有料広告リスティングのサービスを展開しているが、この買収によって得られるアルゴリズム型検索技術を取り入れることでより総合的なサービスを展開するのではないかという見方が強い。また、Yahoo! が Inktomi を買収したというニュースも2002年年末に飛び込んできた。これは Google の一極支配に歯止めをかけようとする動きではないかと見られているが、Inktomi の技術をどのように Yahoo に統合していくのか、また Yahoo と Google との提携はどうなるのかについては2003年3月現在では明らかになっていない。

一方で Google もおとなしくはしていない。Weblog を提供している Pyra Labs を買収した。Pyra Labs が提供する Blogger は、頻繁なコンテンツ更新を行なう日記系サイトなどのコンテンツを構築するツールで、企業向けの Blogger Pro もある。Google はこの買収で、2002年に始めた Google News サービスとあわせて、コンテンツの集約・充実を図っていく模様だ。

日本の検索エンジン市場はどうだろうか。もちろん上記の世界レベルの検索エンジン市場再編の動きに影響されるのは必至である。その一方で日本独自の再編も進んでいる。巨大ショッピングモール「楽天市場」を運営する楽天がインフォシーク、ライコスジャパンを相次いで子会社化した。これにより、ライコスジャパンのエンジンもインフォシークのものに切り替わった。

以上のように、検索エンジン対策のターゲットとして Google 優勢は明らかだが、今後の情勢次第では、それも変わっていく可能性もある。検索エンジンをウォッチする視点は様々あるが今回書いたような視点で注目していくのも重要なことだろう。

目次
はじめに
1 SEO導入の流れ
2 Webプロモーションの原点「顧客ターゲットを定める」
3 Webプロモーションの原点「顧客にとって価値のあるサービス」
4 Webプロモーションの原点「費用対効果を考慮する」
5 SEOの実践「キーワード/キーワードフレーズを定める--1」
6 SEOの実践「キーワード/キーワードフレーズを定める--2」
7 SEOの実践「対策対象とする検索サイトを定める」


記事提供: A&G Corporation.
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