MMD 研究所は、NTT ドコモ、KDDI(au)、ソフバンクモバイルの大手3キャリアと、ドコモまたは KDDI の回線を利用している MVNO(通称“格安スマホ”)サービス10種類を対象として、スマートフォンの通信速度が時間帯によってどう変化するか調査した。モバイル通信利用が多くトラフィックが集中するといわれる昼の12時から13時にかけての時間帯は、ダウンロード(下り)通信速度が UQ mobile を除く9つの MVNO サービスで大幅に低下した。大手3キャリアに極端な速度低下は見られなかった。

格安スマホはお昼に通信速度が大幅低下、ただし UQ mobile を除く
速度調査結果
(赤枠は編集部)

速度計測は、恵比寿(東京都渋谷区)にある MMD 研究所の事務所内で実施。調査対象 MVNO サービスは以下の10種類。計測に使ったスマートフォンは、大手3キャリアが「iPhone 6」、ドコモ回線 MVNO が「ASUA Zenfone5」、KDDI 回線 MVNO が「京セラ LUCE」。

【ドコモ回線を利用している MVNO】
・OCN モバイル ONE
・IIJmio
・b-mobile
・BIGLOBE LTE・3G
・U-mobile
・楽天モバイル
・NifMo
・ぷららモバイルLTE

【KDDI 回線を利用している MVNO】
・mineo
・UQ mobile

時間帯別の計測結果は以下の通り。

【10時〜11時】

大手3キャリアの下り通信速度の平均値は、ドコモが 18.0Mbps、KDDI が 24.1Mbps、ソフトバンクが 30.0Mbps。

これに対し MVNO の速度は、1位が IIJmio の 11.7Mbps。これに b-mobile(10.2Mbps)、mineo/UQ mobile(10.0Mbps)が続き、これら以外の MVNO は 10Mbps 未満。下り通信速度の平均値が最も遅かった MVNO は、ぷららモバイルLTE で 3.5Mbps。ただし、MMD 研究所によると、ぷららモバイルLTE は調査途中で LTE 接続ができなくなって 3G 接続で計測したそうなので、この数値は参考にとどめたい。その次に低速だった MVNO は、U-mobile の5.3Mbps。

【12時〜13時】

大手3キャリアの下り通信速度の平均値は、ドコモが 20.7Mbps、KDDI が 31.4Mbps、ソフトバンクが 30.7Mbps。

MVNO の速度は10サービス中9サービスで大幅な速度低下が発生し、10サービス平均 1.8Mbps という結果。この状況下でも UQ mobile は 9.2Mbps で、ほとんど遅くなっていない。1Mbps を上回ったのは UQ mobile と b-mobile(3.3Mbps)だけで、残る9サービスは 1Mbps にも達していない。

【17時〜18時】

大手3キャリアの下り通信速度の平均値は、ドコモが 19.2Mbps、KDDI が 29.1Mbps、ソフトバンクが 27.6Mbps。

MVNO は、10時〜11時に比べ速くなったサービスもあれば、遅くなったサービスもある。速かったのは、10.3Mbps を記録した楽天モバイルと UQ mobile。最も遅かったのは、参考値だがぷららモバイルLTE(0.5Mbps)。その次に低速だったのは U-mobile(1.7Mbps)。

調査は、4月9日、10日、13日、14日、15日の平日5日間、10時〜11時、12時〜13時、17時〜18時の時間帯に行った。速度測定アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」を利用して各時間帯に各キャリア/MVNO の速度を5回計測し、それぞれの最高値と最低値を除いた3回分の計測値から算術平均値を求めた。