ソニーから分離独立してパソコン事業を手がけている VAIO は、MVNO(仮想移動体通信事業者)サービスの日本通信と協業し、これまで PC 向けとして展開してきた「VAIO」ブランドのスマートフォンを販売すると発表した。2015年1月に、日本国内で“VAIO スマホ”を発売する予定だ。

「VAIO」ブランドのスマホが1月に登場、ソニー「Xperia」との棲み分けは?
VAIO がスマホ市場参入を発表
(出典:VAIO)

VAIO は、ソニーがパソコン事業から撤退するため、VAIO ブランドを含む関連資産を投資会社に売却したことで誕生した企業。VAIO に対する現在の出資比率は、VJホールディングス2が94.4%、ソニーが5%、VAIO 経営陣が0.6%。また、VAIO ブランドは、ソニーの登録商標である。

日本通信と VAIO は、「通信とハードウェアを組み合わせたソリューションに必要なモバイル機器(モバイルネットワーク機能を内蔵する機器)に関し協業する」としており、スマートフォン以外のモバイル機器、例えば VAIO ブランドのモバイル無線 LAN(Wi-Fi)ルーターやモバイル通信対応パソコンといったデバイスも登場するかもしれない。

なお、ソニー本体も100%子会社のソニーモバイルコミュニケーションズを通じ、「Xperia」ブランドでスマートフォンおよびタブレットを展開している。今回 VAIO がスマートフォンなどのモバイル市場に参入することで、Xperia とどう棲み分けるのかが興味深い。Xperia にはハイエンド端末がラインナップされていることと、VAIO が MVNO 事業の日本通信と組むことから考えると、VAIO ブランドのスマートフォンはミドルクラス以下の価格帯になる可能性がある。

しかし、スマートフォンの普及率は頭打ちになっており、競争が激しくなったことからパナソニックや東芝、NEC/カシオなどの撤退が相次いでいる。このようなタイミングで参入する VAIO は、注目を集めている「格安スマホ」「MVNO」にかけるのだろうか。