ニフティは、NTT ドコモの LTE ネットワークを利用する音声通話対応 MVNO サービス「NifMo(ニフモ)」を開始した。単なる「格安スマホ」サービスではなく、買い物で料金が割り引かれる仕組みやサポート体制などで差別化を図り、ユーザーを獲得する考え。将来的には MVNO 市場全体の10%程度のシェアを獲得したいとした。サービス開始から1年、2年は拡販フェーズで、利益に貢献するのは約2年後以降とみる。確実にユーザーを獲得できれば2年後、3年後には益転できると見込む。

ニフティが MVNO サービス「NifMo」開始、格安スマホと一線を画し MVNO 市場の10%を狙う
ニフティが MVNO サービス NifMo を開始
左:ニフティ代表取締役社長の三竹兼司氏
右:ニフティ ネットワークサービス事業部長の三浦信治氏

NifMo は、音声通話サービスに、LTE 通信サービス(最大通信速度は下り 150Mbps、上り 50Mbps)の各種プランを組み合わせられる MVNO サービス。契約者が SIM ロックフリーのスマートフォンを用意して利用できるほか、ニフティの用意する対応スマートフォンを選ぶことも可能。MNP 対応なので、キャリアから乗り換えても同じ電話番号を使い続けられる。

料金体系は(1)データ通信プラン、(2)契約タイプ、(3)スマホセットの有無に分かれ、必要に応じて自由に選べる。それぞれの税別月額料金は以下の通り。また、期間限定で「NifMo スタートキャンペーン」(月額200円引き)と、インターネット接続サービス「@nifty」利用者向けキャンペーン(月額200円引き)を実施する。

【(1)データ通信プラン(高速データ通信が利用可能な月間最大容量)】
・2GB プラン:900円
・4GB プラン:2,500円
・7GB プラン:3,500円

【(2)契約タイプ(利用する機能)】
・音声通話対応:700円
・SMS 対応:250円
・データ通信のみ:0円

【(3)スマホセット(現時点では ASUS 製「ZenFone 5」)有りの場合】
・分割払い:月額1,297円×24回(支払い総額3万1,112円)
・一括払い:3万1,112円

料金は業界水準からみて特別安い設定でなく、ニフティもこの点は認め、「格安スマホ」ではないとした。そして、差別化のポイントとして「2つのおトクと3つの安心」を強調している。

「2つのおトク」の1つ目は、「NifMo バリュープログラム」。専用アプリケーション(現時点では Android 版のみ。iOS 版は後日リリース予定)を介して商品購入することで、購入額などに応じて毎月の利用料金が割引される。サービス開始時点で、東急ハンズや ABC マート、Yahoo! ショッピングなど、100以上の店舗が対応している。

NifMo バリュープログラムの利用イメージ
NifMo バリュープログラムの利用イメージ

「2つのおトク」の2つ目は、データ通信を無線 LAN(Wi-Fi)に自動で切り替え通信量を節約するアプリケーション「NifMo コネクト」。こちらは、Android 版と iOS 版の両方が用意される。

一方「3つの安心」は、同社が自信を見せる会員サポート体制と、故障/破損/水没などしたスマートフォンを交換する「NifMo あんしん保証」(税別月額380円)、スマートフォンの設定/操作方法、機器接続などを訪問してレクチャーする「NifMo 訪問レクチャー」(税別月額480円)の3本柱。ニフティ ネットワークサービス事業部長の三浦信治氏は「サービスの良さは半分はサポートで決まる」と話し、「値段も、品質も、サービスも、サポートも すべてに妥協しない人に選ばれる」と自信を見せた。

NifMo 用の第一弾スマートフォンは、「ASUS ZenFone 5(A500KL)」の 16GB モデル。楽天グループのフュージョン・コミュニケーションズが MVNO サービス「楽天モバイル」向けとしているスマートフォンと同じ端末だが、楽天モバイル向け ZenFone 5 は 8GB モデルだ。

NifMo 用の第一弾スマートフォン ASUS ZenFone 5
NifMo 用の第一弾スマートフォン
ASUS ZenFone 5

なお、ニフティは NifMo のプロモーションに、ニフティ創業と同じ1986年に生まれた女優の沢尻エリカさんを起用。「“すべてに妥協しない”人々を象徴するアイコン」という沢尻さんが NifMo のテレビ CM 出演に OK するまでを追いかけるストーリー仕立てで、「すべてに妥協しない人に選ばれる次世代ローコストスマホ」の魅力を訴える。

沢尻さんは NifMo のテレビ CM 出演を快諾するか?
沢尻さんは NifMo のテレビ CM 出演を快諾するか?