米国 Facebook が公開した新たなチャット/メッセージ(IM)アプリケーション「Rooms」が注目を集めている。話題ごとに「ルーム(仮想の談話室)」を作成し、それぞれ異なる仮名で参加して交流できる。実名を重視する Facebook にしては変わった試みという評判だ。それにしても同社の IM 系アプリは種類は増える一方だ。

Facebook、新たなチャットアプリ「Rooms」 -- これで何種類目だっけ?
Rooms

Rooms は Facebook の研究組織である「Facebook Creative Labs」が開発した。目下、iPhone、iPad で動作する iOS 版だけがあるが、日本の App Store からはダウンロードできない。対応 OS は iOS 7.0 以降。

Rooms ではユーザーは自由にルームを作成し、その背景色や文字色、カバー写真などを設定できるほか、ユーザーの参加に制限を加えたり、ルームの投稿内容を外部サービスで共有できるかどうかも決められる。ユーザーはルームに参加する際、任意の仮名を登録でき、正体を明かさず交流が可能。

これらの機能は、インターネット黎明期の フォーラム や BBS、チャットの文化に影響を受けて作り上げたと、Facebook は説明している。

Rooms に対する外野の反応はというと、匿名 IM 大手「Snapchat」対抗であるとか、ソーシャルブックマーク「reddit」を思わせるとか、想像力豊かなさまざまな意見がある。

それはともかく、Facebook の IM 系アプリは数が多い。短命に終わった  Snapchat 対抗アプリ「Poke」は数に入れないとしても、この6月に登場した写真交換機能特化の「Slingshot」をはじめ、傘下の「WhatsApp」「Facebook メッセンジャー(かつての Beluga)」、そして写真共有アプリ「Instagram」にもメッセージ機能はある。

Facebook としては異なる特徴を備えるサービスを多数展開し、いずれかが生き残ればよい、というリスク分散を考えているのかもしれない。同社が当面それができるだけの開発リソースを抱えていることは疑いない。とはいえ、今後、不人気のサービスをばっさりと切り捨てる可能性もある。