米国 Apple は、新型スマートフォンとして、4.7インチ画面の「iPhone 6」と5.5インチ画面の「iPhone 6 Plus」を発表した。両モデルの相違は基本的に画面のみで、現行モデルより画面サイズが大きくなったほか、Voice over LTE(VoLTE)通話対応、NFC チップによる決済機能「Apple Pay」搭載、新型プロセッサ「A8」採用といった強化を施している。また、新たにストレージ メモリー容量が 128GB のモデルを設ける。OS は新版の「iOS 8」。

Apple、4.7インチ「iPhone 6」と5.5インチ「iPhone 6 Plus」発表、NFC/VoLTE などに対応
iPhone 6(左)と iPhone 6 Plus(右)
(出典:Apple)

9月19日に日本、米国、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、香港、プエルトリコ、シンガポール、英国で発売する。購入の予約受付は9月12日から行うとしているが、記事執筆時点(9月10日7時)で NTT ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの Web サイトにはまだ現行モデル「iPhone 5s」「iPhone 5c」の情報しか掲載されていない。

米国におけるメーカー希望小売価格(2年契約時)は以下の通り。

【iPhone 6】
・16GB 版:199ドル
・64GB 版:299ドル
・128GB 版:399ドル

【iPhone 6 Plus】
・16GB 版:299ドル
・64GB 版:399ドル
・128GB 版:499ドル

新モデルである iPhone 6 および iPhone 6 Plus 最大の特徴は、iPhone 5s/5c に比べ大きくなった画面。iPhone 5s/5c が4インチ(1,136×640ピクセル表示、326ppi)なのに対し、iPhone 6 は4.7インチ(1,334×750ピクセル表示、326ppi)、iPhone 6 Plus は5.5インチ(1,920×1,080、401ppi)ある。画面のコントラスト比も高く、iPhone 6 は1400:1、iPhone 6 Plus は1300:1(iPhone 5s/5c は800:1)。画面の拡大にともない当然ボディ サイズは大きくなったが、厚みは iPhone 5s/5c より少ない。具体的なサイズと重さは以下の通り。ボディ デザインはアルミニウム製ボディなど iPhone 5s を踏襲しており、ボディの縁がやや丸みを帯びた。ボディ カラーは iPhone 5s と変わらず「Gold」「Silver」「Space Gray」の3色。

【iPhone 6】
・サイズ:高さ138.1×幅67.0×厚さ 6.9mm
・重さ:129g

【iPhone 6 Plus】
・サイズ:高さ158.1×幅77.8×厚さ 7.1mm
・重さ:172g

【iPhone 5s】
・サイズ:高さ123.8×幅58.6×厚さ 7.6mm
・重さ:112g

【iPhone 5c】
・サイズ:高さ124.4×幅59.2×厚さ 8.97mm
・重さ:132g

新モデルと現行モデルのサイズ比較 左から iPhone 6 Plus、iPhone 6、iPhone 5s、iPhone 5c (出典:Apple)
新モデルと現行モデルのサイズ比較
左から iPhone 6 Plus、iPhone 6、iPhone 5s、iPhone 5c
(出典:Apple)

通信機能の面では、LTE 利用時の下り最大通信速度が 150Mbps になった。さらに、LTE ネットワーク上で音声通話を実現する Voice over LTE(VoLTE)を利用可能とした。無線 LAN(Wi-Fi)は、これまでの IEEE802.11a/b/g/n に加え IEEE802.11ac に対応。これにより、Wi-Fi の最大通信速度が従来の3倍速い 433Mbps となる。

Apple Pay は、NFC を使った決済機能。店舗などでは、店頭にある決済端末に iPhone 6/6 Plus をかざし、「Touch ID」で指紋認証するだけで支払いが完了する。iPhone 6/6 Plus のロックを解除したり、決済用アプリケーションを起動したりする手間がかからない。日本国内で携帯電話や Android スマートフォンで普及している FeliCa チップによる「おサイフケータイ」と類似の機能だが、指紋認証を求められる点が魅力的だ。ただし、現時点では、10月実施予定の iOS 8 アップデートで米国向けに提供するとしか明らかにしていない。

プロセッサは、64ビットの「A8」チップに強化し、処理速度を向上させたと同時に、省エネルギー性を高めたとしている。また、新たに iPhone 6/6 Plus がどのように動かされたかなどを処理するためのコプロセッサ「M8」を搭載。歩数計やフィットネスといったヘルスケア系アプリケーションで活用できるほか、動きに応じてアプリケーションの動作を押さえるなどして省電力にもつなげるという。

なお、iPhone 6/6 Plus に搭載する iOS 8 は、既存 iOS デバイス向けにも9月17日より無償提供する。iOS 8 へのアップデートが可能な機種は以下の通り。

・iPhone 4s
・iPhone 5
・iPhone 5c
・iPhone 5s
・iPod touch(第5世代)
・iPad 2
・iPad with Retina display
・iPad Air
・iPad mini
・iPad mini with Retina display