無料メッセージアプリケーション「LINE」で、PC 版アプリケーションやショッピングサイト「ウェブストア」にログインしようとすると、同じアカウントを使っているスマートフォン版アプリにトークで通知が届くようになった。サイバー犯罪者が PC 版アプリを使って乗っ取りをしかけた際、すぐ気づいて防止できるようにという工夫だ。

LINE、PC からの乗っ取りをトークで通知、防止する新セキュリティ機能
「LINE」公式アカウントからのトークによる通知

PC からの ログインが成功した場合でも失敗した場合でも、スマートフォン版アプリには「LINE」というアカウントからトークで通知が届く。このアカウントは、セキュリティ強化のための特別なもので、友だち一覧にはあらわれず、ブロックすることはできない。

もし身に覚えのない通知が来た際は、不正ログインの恐れがあるため、すぐにパスワードを変更するよう、LINE は促している。また通知に含まれているリンクをタップして「ログアウト」を指示すれば、PC 版から不正ログインしているサイバー犯罪者を強制的に追い出せる。

なお、LINEでは、ログインを通知するために運用するのは「LINE」というアカウントのみであり、類似のアカウントには注意するよう呼びかけている。

通知を送って来たのが公式アカウントかどうかを判別するには、アカウントのプロフィール画面で「おすすめ」や「ホーム」のメニュー表示を確認すればよく、適切なメニュー表示がない場合は、偽アカウントだという。

「LINE」公式アカウントのプロフィール画面
「LINE」公式アカウントのプロフィール画面

乗っ取り問題に苦しむ LINE の新たな対策だが、次第に複雑化するセキュリティ機能をユーザーがどこまで使いこなせるかは分からない。また同社が懸念する通り、通知を装ってフィッシングサイトへのリンクをタップさせようとする偽アカウントの登場なども今後考えられる。