誰でも IP 電話機能を備えたスマートフォン向けアプリを開発できるキット「050 VoIP SDK(仮称)」を、NTT コミュニケーションズ(NTT Com)が10月上旬に公開する。専用サイトでキットに関心を持ったアプリ開発者の問い合わせを受け付けている。

誰でも IP 電話アプリを開発できるキット、NTT Com が公開へ
050 VoIP SDK(仮称)のイメージ図

NTT Com は従来、スマートフォンから 050 で始まる独自の番号で電話をかけられる IP 電話 アプリ「050 plus」を開発してきた。

新たなキットは、この 050 plus の技術を応用するもので、IP 電話の機能をほかのアプリに組み込める。アプリ開発者が SIP や RTP といったプロトコル(通信手順)の専門知識がなくても利用できるという。同社では、ショッピングアプリ、メールクライアント/スケジュール管理アプリなどへの採用を期待している。

なお、050 VoIP SDK の機能を使って通話した場合の料金についてはまだ詳細が確定していないが、アプリ開発者がユーザーから回収し、それを NTT Com に支払う形となる。050 plus に準じる価格水準になり、別途月額基本料がかかる見込み。050 plus など NTT com の IP 電話アプリとは無料で通話できる。このほかにデータ通信が発生するため、アプリのユーザーはパケット定額サービスに余裕を見ておく必要もある。

今後、こうしたキットが普及すれば、スマートフォン向けコミュニケーションツールの開発はコモディティ化(均質化)していくと見られる。すでにアプリにテキストチャット機能を追加できるキットとして、モビルスの「KONNECT」などが登場している。いずれ開発者はいくつかのキットを組み合わせることで、簡単に LINE や WhatsApp 風のアプリを実現可能になるだろう。