複数の携帯電話キャリアの回線を利用できる「SIM ロックフリー」のスマートフォンが徐々に数を増している。中国の華為技術(ファーウェイ)も「Ascend G6」を6月下旬以降に日本で発売する予定だ。希望小売価格は2万9,800円(税別)と低廉ながら、下り最大 150Mbps の高速通信が可能だ。

「SIM ロックフリー」の流れ加速か--ファーウェイが下り 150Mbps 通信に対応したスマホ「Ascend G6」発売、2万9,800円
Ascend G6

最近はスマートフォンの運用コストを下げる手段として、キャリアの回線を借りて通信サービスを手掛ける MVNO(仮想移動体通信事業者)が注目を集めている。定額で利用できるデータ通信量の上限が月 1GB 前後と低い分、料金は月額1,000円を下回る、といった割安なプランが多い。

この MVNO の通信サービスと、SIM ロックフリーのスマートフォンをうまく組み合わせれば、キャリアと直接契約するより運用コストを抑えられる。また使っているスマートフォンはそのままに、通信サービスだけを乗り換えるのも容易だ。

一方、SIM ロックフリーのスマートフォンへの批判としては、米国 Apple が直販している iPhone 5s/5c などを除くと、型落ち、低性能な製品が多いといったものがあった。だがそうした状況も変わってくるかもしれない。

ファーウェイの Ascend G6 は、2014年2月にスペインで開かれた MWC(Mobile World Congress)で発表となった機種。性能面ではキャリアが販売する夏モデルに見劣りするが、高速通信に対応する点は目を引く。

ディスプレイは 4.5型QHD(960×540ドット)、カメラは前面500万画素、背面800万画素で、CPU はクアッドコアの Qualcomm MSM8926(1.2GHz)。メモリー容量は 1GB。OS は Android 4.3だ。

インターネットイニシアティブ(IIJ)、エディオン、ダイワボウ情報システム、ノジマ、U-NEXT が取り扱う。MVNO や家電量販店などから購入できる見通し。

Ascend G6 が SIM ロックフリーで買えるようになる、というだけであれば、大きな話題とはいえないが、ファーウェイは今後、SIM ロックフリー製品を相次ぎ日本市場に投入する予定だ。タブレット「MediaPad X1」「MediaPad M1」「MediaPad 7 Youth2」、ウェアラブル端末「TalkBand B1」、厚さ約6.5mmのスマートフォン「Ascend P7」の名前が上がっている。

ファーウェイが投入予定の SIM ロックフリー製品
ファーウェイが投入予定の SIM ロックフリー製品

これは、Apple が道を開いた SIM ロックフリーの国内市場に、他社が本格的に足を踏み入れる兆候と見なせるだろうか。確信は持てないが、さらに多くのメーカーの参入を期待したい。