IEEE が、NTT の高圧縮音声符号化に用いられる LSP(線スペクトル対)方式の開発、普及(1975年)が、携帯電話や IP 電話の世界規模での急速な普及に貢献したとして、「IEEE マイルストーン」に認定した。

NTT が1975年に開発した「LSP 方式」は、限られた伝送帯域でより多くの音声通信を行うために、音声の高圧縮符号化を実現するための基本技術。音声の中から口の形に対応した周波数特性を効率よく表現できるので、より少ない情報量で同等の音声品質を得ることができる。(図1)

NTT の携帯電話音声符号化基本技術「LSP 方式」が IEEE マイルストーンに認定
(図1)

この技術は、現在使われている第2世代、第3世代の携帯電話や IP 電話などに採用されているほか、これから注目される「VoLTE」にも活用される予定。

「IEEE マイルストーン」とは、IEEE による、電気/電子/情報/通信分野における画期的な技術革新の中で、開発から25年以上にわたり国際的に高い評価を受けてきた技術の歴史的業績を称える表彰制度。1983年に設立された。

過去の受賞例には、19世紀の電話やエジソン研究所、マルコーニの無線通信など。なお、NTT は、KDDI と共同の「G3 ファクシミリの国際標準化」(1980年)の功績でも、2012年4月に「IEEE マイルストーン」に認定されている。

IEEE より贈呈された記念の銘板
IEEE より贈呈された記念の銘板