米国ボーイングは航空機の開発製造でよく知られている企業だ。だが先週、同社は「Black」と呼ばれるスマートフォンを公表した。

ボーイング社が発表したスマートフォン「Black」:その10のクールな機能
ボーイングが公表したスマートフォン「Black」

ボーイングの Black はデータ保護を最重要視したデバイス。特に、国防に関連した政府機関を対象にして開発されたものだ。

このデバイスの詳細については、少なくとも今後数年は明らかにされることはないだろう。ここでは、ボーイングが一般に公開した情報をもとに、Black がどのように“クール”なのかについて述べてみたい。

1. ハードウェアはそれほど悪くない

外見だけ見れば、Black はローエンド向けデバイスに見えてしまうかもしれない。だがその仕様はそれほど悪くはない。デバイスには4.3 インチの qHD ディスプレイと、デュアルコアの 1.2GHz ARM Cortex-A9 プロセッサが搭載されている。ハンドセットは、現在市販されているスマートフォンと比較すると驚くほど分厚く、その厚みは13.25mm もある。だが全体としては、デザインはそれほど悪くない。

1. ハードウェアはそれほど悪くない

2. 何重にも及ぶセキュリティ

ボーイング Black のセキュリティ機能は驚くべきものだ。何重ものセキュリティ対策が Black には施されている。ボーイング社によれば、デバイスにはハードウェアベースの暗号化機能が搭載されている他、非公開のセキュリティ機能も搭載されているという。Black のセキュリティ機能は、米国政府によるデバイス管理システム仕様に準拠している。

3. モジュール発想

Black はモジュール設計されており、様々なミッションに合わせて拡張可能になっている。ビルトインセンサーの他、特殊な任務に合わせたセンサーを追加することが可能だ。

4. 衛星通話が可能

これは驚くべきことではないだろうが、ボーイング Black は通信衛星と直接通信する機能を備えている。ボーイングはこの機能の詳細について明らかにしてはいないが、Black が、軍隊や諜報機関が要求するレベルの衛星通信機能を提供するのは間違いなさそうだ。

4. 衛星通話が可能

5. あらゆる電話回線を利用できる

一般に開放されている商用モバイルネットワークの他に、米国政府は独自の携帯電話ネットワークを保有している。ボーイング Black は、この両方のネットワークをサポートしている。ボーイングによれば、両方のネットワークを必要に応じてシームレスに切り替えることも可能だという。

6. OS は Android

Android はセキュリティの面での評価は低い。同 OS は、アタッカーによる最大のターゲットになっている。多くのセキュリティ研究者はその理由を、Android が大きな市場シェアを持っていることと、他のモバイルOS と比較して侵入しやすいことだとしている。

だが、ボーイングは Black の OS に Android を選択した。ボーイングは Android に対して、Black 向けに大きく手を入れた「ソフトウェアセキュリティー強化版」としているようだが、そのベースは Google のプラットフォームであることに間違いはない。

6. OS は Android

7. 不正開封防止機能

Black には不正開封防止機能が搭載されている。デバイスはエポキシ樹脂とネジでシーリング処理され、密閉機器として製造されている。ネジの頭は改造防止処理の施されたカバーがかぶせられており、分解が試みられたかどうかが分かるようになっているという。

7. 不正開封防止機能

8. 修理は不能


不正開封防止機能のため、Black が故障した場合でも修理することはできない。修理を試みると、Black は自壊するためだ。これは Black が、スパイ映画ファンを喜ばせる「ミッション:インポッシブル」な任務で利用されることを意味している。

9. 自己破壊機能

おそらくこれが Black のもっともクールな機能だろう。ボーイング Black は、アタッカーが情報入手の目的で Black の分解を試みれば、内部の部品が破壊される構造を持つ。スパイ映画のように爆発するというわけではないが、デバイスを開けようとたり、内部に細工をしようとすれば、ハードウェアは使えなくなり、すべてのソフトウェアとデータも破壊されるのだ。

9. 自己破壊機能

10. 一般消費者は入手できない


現在では、一般消費者や企業のセキュリティ意識も高まっており、ボーイング Black を入手したいという人は多いだろう。残念なことに、現時点では Black は政府関係者向けのもので、一般消費者を対象としたものではない。だが、ボーイングではなく、他のスマートフォンベンダーが同様のアイディアを持つ別のデバイスを発売する可能性はある。その日が来るのを待とう。

Don Reisinger
Don Reisinger は、フリーのコラムニスト。Ziff-Davis の Gearlog.com でのデビュー以降、Computerworld、InformationWeek などに数多くのコラムを寄稿してきた。現在は eWeek の他、CNET、LA Times でコラムを執筆している。