英国 Canonical は10月17日、Ubuntu 13.10「Saucy Salamander(非礼な火トカゲ)」を公開した。このリリースには、デスクトップ、サーバー、クラウドだけでなく、モバイルデバイスに向けたコンポーネントも含まれている。

Ubuntu 13.10「Saucy Salamander(非礼な火トカゲ)」リリース―完全なモバイル対応 OS 14.04 への橋渡し

Canonical の Ubuntu プロダクトマネージャである Richard Collins 氏は eWeek に対し、13.10 はわずかの調整だけで、様々なタイプのデバイス上で動作可能な OS だと述べた。これを実現したキーコンポーネントの1つが、Mir だという。

「Mir は将来我々がサポートするすべてのサービスの基礎となるものだ。ディスプレイサーバーは、OS が動作する上で必須の役割を担っている」

Mir は、長く Linux の標準ディスプレイサーバーとして使用されてきた X サーバーの代替技術。Red Hat の Fedora や GNOME デスクトップは、X サーバーの代替として Wayland を選択したが、Ubuntu は Mir を選んだ。

「我々は Ubuntu 13.10 で、完全なモバイル対応 OS の実現に一歩近づいた。13.10 は、Ubuntu 14.04 への橋渡し的な役割を果たす OS だ」

Ubuntu 14.04 は、2014年4月に公開が予定されている。Ubuntu 13.10 は、基本的にはデスクトップおよびサーバー向けのリリース。Collins 氏によれば、Ubuntu は 14.04 で、モバイル、デスクトップ、サーバー向けの開発作業を完全にシングルプラットフォームに統合するという。

Canonical は2013年を通じ、Ubuntu のモバイル対応に関する話題を提供し続けてきた。今年初め、Canonical は Ubuntu Phone を発表した。この取り組みは、Ubuntu を Apple の iOS や Google の Android と競合可能なモバイル OS にしようとするものだ。また、Canonical はクラウドファンディングキャンペーンを実施。次世代の Ubuntu スマートフォン「Ubuntu Edge」開発に向けた資金調達を目指した。このキャンペーン自体は、調達金額が目標に届かず、失敗に終わっている。

Ubuntu Edge
Ubuntu Edge

だが、Ubuntu Edge キャンペーンが成功しなかったことは、Ubuntu のロードマップには、影響を与えていないという。 Collins 氏は次のように述べる。

「Ubuntu Edge には、Ubuntu 14.04 が搭載される予定だった。Ubuntu Edge は実現できなかったが、14.04 のリリース計画に変更はない」

Ubuntu Phone 対応ハードウェアは出荷されるのか?

とはいうものの、Ubuntu Edge キャンペーンが成功していたら、少なくとも1台の Ubuntu 搭載スマートフォンが世に出ることが保証されていたことにはなる。Collins 氏は、Canonical は多くのベンダーと協働しており、Edge が無くても問題はないことを強調した。

「我々は多くのハードウェアベンダーと密接に協働している。現段階では、ベンダー名は明かせないが、商業段階に入ったら OEM と製品について公式に発表するつもりだ」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、eWeek および InternetNews.com の主任編集者。