米国 Apple による中国市場向けの廉価版 iPhone は、中国では廉価と受け止められなかったようだ。

Apple は米国で新型 iPhone の発表イベントを開催した翌日の9月11日、中国北京でも大規模なイベントを実施。Apple による初めての中間価格帯商品である iPhone 5c を中国市場に向けて紹介した。

Apple の廉価版 iPhone 5c、中国の消費者からは冷淡な反応―「ジャガイモの皮むき器にしては高い」
iPhone 5c

Apple はこれまで、中国市場に対しては数か月遅れで新型 iPhone を投入してきた。だが今回、同社は中国の大手キャリア中国移動との新たな契約も結び、iPhone 5c を中国市場に対して米国と同日に投入する。Apple はこれにより、中国を新たな、そして大きな収入源にしようと考えている。

だが、中国の消費者は iPhone 5c にあまり良い印象を持たなかったようだ。中国メディア China Daily は、9月11日付けの記事で次のように伝えた。

「オンライン調査により、90%近いユーザーが iPhone 5c に不満を持っていることがわかった。≪中略≫ iPhone 5c は高すぎるため、ユーザーはこの新しいガジェットに興味を持っていない」

iPhone 5c の中国での価格は728ドル(日本円で約7万2,000円)から。5c と同時に発表されたフラグシップモデルの iPhone 5s の価格は858ドル(日本円で約8万5,400円)に設定されている。両者の差は、わずかだ。

「iPhone 5c の価格が487ドル(日本円で4万8,500円)以下になると予想していた多くの中国ユーザーにとって、この価格はまったくの期待外れだった」

米国コンサルタント企業 Technology Business Research のアナリスト Beau Skonieczny 氏は7月、eWeek に対して Apple の廉価版 iPhone の価格は350ドルから450ドルの間になるとする予測を述べていた。また、米国調査企業 Gartner Research の VP である Carolina Milanesi は、Apple は iPhone 5c の価格を300ドル以下に切り下げる可能性があると指摘。旧モデルである iPhone 4S よりも低価格での販売になると見ていた。

Tech In Asia は、中国の消費者の間では iPhone 5c の「c」は「costly(高価な)」の「c」ではないか?というジョークが広まっていると伝えている。「ジャガイモの皮むき器のように見える」ものは、さらに価格に見合わず高価だと揶揄されているそうだ。Tech In Asia は「ジャガイモの皮むき器」について次のように説明している。

「ジャガイモの皮むき器とは、Apple がデザインした iPhone 5c 向けのケースのことだ。これは今晩、(中国版 Twitter の)Sina Weibo でもっとも多くリツイートされた、新型 iPhone に対するメッセージとなった」

「ジャガイモの皮むき器」と揶揄された iPhone 5c 向けのケース
「ジャガイモの皮むき器」と揶揄された iPhone 5c 向けのケース

それでも iPhone 5c は売れる?

英国調査会社 Ovum の主任デバイスアナリストである Jan Dawson 氏は、Apple が iPhone 5c で、ローエンドではなく、ミドルレンジを狙う戦略を取ったことに驚いてはいないと述べた。

「Apple が iPhone 5c でローエンドマーケットを狙うと本気で考えていた人は、反省すべきだ。Apple がそのような戦略を取り始めるのは、同社がスマートフォン市場が、これ以上拡大する余地がないと判断したときだ。中国を1次販売国(米国と同日発売する国)に含め、さらに12月末までに100か国以上で発売することで、iPhone 5s と iPhone 5c に対する需要は、かつてないまでに上昇するだろう」

英国の調査会社である Analysys Mason は、2013年の中国市場におけるスマートフォン需要は、2億台を超えると予測しており、これは「北米市場と欧州市場におけるスマートフォン売上台数の合計にほぼ等しい」としている。

同社はまた、iPhone 5c が、「iPhone 5s を補完するものとしてよくデザイン」されており、「アッパーミッドレンジのスマートフォン市場」で、Samsung、Nokia、HTC の製品と競合するものだと位置付けている。