音声認識技術を提供する米国 Nuance Communications の最新の調査により、利用者がモバイルデバイスの音声アシスタントに求めているものは、一方的な音声による命令とその実行ではなく、双方向の会話能力であることがわかった。Nuance の Robert Weideman 氏は、声明で次のように述べている。

「消費者の求めるものが、今回の調査で明らかとなった。消費者はモバイルアプリやパーソナルアシスタントに対し、より便利で自然な会話能力を求めるようになってきている」

調査では90%の消費者が、ある企業のモバイルアプリで好ましい体験をした場合、その企業の商品の購入を継続しようと考えると回答している。

「これは、企業にとって、他社との差別化を図る良い機会となるだろう」

利用者は音声アシスタントに対し、双方向の会話能力に加えて、自発性も求めている。調査対象者の89%は、音声アシスタントが、自分の関心のある情報を、利用者からの働きかけがなくても、自動的に知らせて欲しいと考えている。これはまさに、Siri などの音声アシスタントが目指していることだ。

では、スマートフォンで Siri などの音声アシスタント機能を利用している人は、スマートフォン利用者のどの程度の割合を占めているのだろうか?調査では、18歳から24歳では58%が音声アシスタントを利用していることが明らかとなった。これに対し、45歳から54歳では、音声アシスタント利用者は全体の37%に留まっている。

利用者が「Siri」などの音声アシスタントに求めているのは「双方向の会話能力」
スマートフォン利用者に占める Siri などの音声アシスタント利用者の割合
(出典:Nuance Communications)

今回の調査で判明した特筆すべき事実は、音声アシスタントを利用する人の多くが、それを定期的に利用しているという点だ。音声アシスタントを毎日利用しているという人は利用者の15%、毎週利用するという人は40%、毎月利用するという人は42%を占めている。

「私は、音声アシスタントを利用すると回答した人の98%が、毎月、毎週、毎日など、定期的に利用しているという事実に驚いた。定期的に利用しているということは、利用者が音声アシスタントに高い価値を見出していることを示している。使えないものを、定期的に利用する人はいないからだ」

音声アシスタント利用頻度 (出典:Nuance Communications)
音声アシスタント利用頻度
(出典:Nuance Communications)

では、人々は音声アシスタントを使って何をしているのだろうか?この質問に対しては67%の利用者が、ピザの注文に利用していると回答した。これに、オンラインでの検索(64%)、銀行取引(44%)が続いた。

音声アシスタントの使用目的 (出典:Nuance Communications)
音声アシスタントの使用目的
(出典:Nuance Communications)

Nuance の調査では、利用者は音声アシスタントを気に入ってはいるが、改善の余地があることも明らかになった。調査対象者のうち、音声アシスタント体験が「素晴らしい(Fantastic)」と回答したのは17%。「良い(Good)」と回答したのは55%、「まずまず(Fair)」と回答したのは28%だった。

音声アシスタント満足度 (出典:Nuance Communications)
音声アシスタント満足度
(出典:Nuance Communications)

「利用者は、音声アシスタントをとても気に入っている。企業がより魅力的で、会話能力に優れた音声アシスタントをアプリに組み込むことができれば、顧客満足度で優位に立つことができるだろう」

この調査は米国で実施されたもの。調査対象者は18歳以上のスマートフォン利用者だった。