Digital Power Group による最新の調査「The Cloud Begins with Coal: Big Data, Big networks, Big Infrastructure and Big Power」は、iPhone を利用するには、中型の家庭用冷蔵庫よりも多くのエネルギーを必要とすると主張している。

同調査によれば、中型冷蔵庫の平均年間消費電力量が 322kWh であるのに対し、iPhone の消費電力量は 361kWh に達するという。だが、iPhone の利用で必要とされる膨大な電力量はバッテリーの充電ではなく、Apple が iPhone 利用者に提供する「クラウドサービス」で消費されているという。同調査には次のようにある。

「タブレットやスマートフォンの充電に必要な電力量は無視できる程度のものだ。だが、タブレットやスマートフォンで一年間、毎週1時間程度のビデオ視聴を継続すれば、リモートネットワーク(クラウド)では、新型の冷蔵庫2個分以上の電力を消費することになる」

iPhone でドラマの数エピソードをストリーミング視聴することは、同エピソードを DVD にして利用者の家庭に郵送する場合よりも多くのエネルギーを必要とするという。

同調査では、クラウドサービスは21世紀に最も多くの電力を消費しているサービスの1つだとしており、仮にクラウドを1つの国だとすれば、クラウド国の年間消費電力量は、米国、中国、ロシア、日本に次いで世界で5番目になると述べている。

iPhone は、冷蔵庫以上に電力を消費する?
「クラウド国」の年間消費電力量(出典:Digital Power Group)

世界最大のクラウドプレイヤーは Apple であり、同社は iPhone および iPad に対してクラウドサービスを提供するため、非常に多くのエネルギーを消費しているという。そのエネルギーの多くは、石炭火力発電により賄われており、Apple の場合は 55%以上が石炭火力発電によるものだと、同調査は述べている。

クラウドサービス提供企業の、石炭火力発電への依存度(出典:Digital Power Group)
クラウドサービス提供企業の、石炭火力発電への依存度(出典:Digital Power Group)

調査は、世界のエネルギー供給は、今後さらに石炭火力発電への依存を高めていくと予測し、その理由を次のように説明している。

「石炭火力発電が主流になっているのは、成長を続ける経済圏に対してかつてない大量のエネルギーを提供するため、コストダウンが重要視されているからだ。国際エネルギー機関は最近、拡大する世界の電力需要に応える、コスト効率の高い代替発電方法が無いことに言及している」

世界の発電供給量推移(出典:Digital Power Group)
世界の発電供給量推移(出典:Digital Power Group)