米国 Mozilla は、スペインのバルセロナで開催中のモバイル関連イベント「Mobile World Congress 2013」で、少なくとも17のグローバルなモバイルベンダーが Firefox OS ベースのモバイルフォンを提供すると発表した。

Mozilla のパートナーとなったモバイルベンダーには、America Movil、China Unicom、Deutsche Telekom、Etisalat、Hutchison Three Group、KDDI、KT、MegaFon、Qtel、SingTel、Smart、Sprint、Telecom Italia Group、Telefónica、Telenor、TMN、VimpelCom などが含まれる。

Mozilla はまた、Alcatel(TCL)、LG、ZTE、Huawei などのハードウェアベンダーが、Firefox OS 搭載スマートフォンを開発していることも発表している。これらのベンダーは、Qualcomm 製の Snapdragon アーキテクチャを持つモバイルプロセッサを搭載した Firefox OS スマートフォンを開発しているという。

ではなぜ、Firefox OS のもとにこれほど多くのキャリアやベンダーが集まるのだろうか?

モバイルキャリアやベンダーが Firefox OS を選択するのはなぜか?
Firefox OS 搭載スマートフォン

Mozilla CTO である Brendan Eich 氏は InternetNews.com に対し、Apple iOS や Google Android では、モバイルキャリアによる独自サービスの付加が困難なためだと述べた。両 OS は、OS 独自の開発技術や知識を要求する「ネイティブアプリモデル」を採用している。一方、FirefoxOS は HTML5 や JavaScript といった Web 標準技術にフォーカスしているため、既存のインターネット知識や技術をそのまま活用することが可能だ。Eich 氏は次のように述べる。

「Firefox OS は、ネイティブアプリ向けのレイヤーが不要な、多くの人々が参加しやすいプラットフォームだ」

Eich 氏はまた、Google や Apple のモデルでは、消費者は Apple の AppStore や Google Play を経由して直接これらの企業と繋がりを持つため、そこにモバイルキャリアが入り込む余地が少ないことに触れた。Eich 氏によれば、モバイルキャリアは、サービスが通過するだけの「単なるパイプ」として扱われることを不本意だと感じているという。

Firefox OS モデルを採用すれば、モバイルキャリアは自分たちが主導する独自サービスの提供が可能となる。例えば、リアルタイム通信の新たな標準である Web 技術「WebRTC」を活用したサービスなども提供できるのではないだろうか? WebRTC 標準を利用すれば、Web ブラウザ上で直接音声チャット、ビデオチャットが実現できるが、これをサービス化する際に、モバイルキャリアの保有する既存のバックエンドインフラを活用することが可能だ。

Linux

Firefox OS のコアでは、Linux が動作している。だが、Eich 氏は Linux を差別化要因として利用することはしないと述べた。

「Firefox OS では、Android と同じバージョンの Linux を利用する。Mozilla は、Linux レイヤーに対して価値を付加するつもりはない」

Android と 同じ Linux を利用することで、Android で利用可能なベースボードのリファレンスアーキテクチャが、Firefox OS でも利用可能となる。これは、ハードウェアベンダーにとっては大きなメリットとなるだろう。

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。