富士通研究所は、パソコンからあるファイルをスマートフォンやタブレット、携帯電話などの端末へ転送する作業を、該当ファイルをパソコンの画面に表示して転送先端末で撮影するだけで済ませられる技術を開発した。IP アドレスなどの情報を人間の目に見えないよう画面に重ね合わせて表示し、パソコンを特定することで実現している。今後、通信速度の改善などに取り組み、2014年度中の実用化を目指す。

同技術は、スマートフォンなどで被写体としているファイル転送元のパソコンを、まずそのパソコンの IP アドレスや無線 LAN(Wi-Fi)SSID といった情報で特定。その後、両デバイス間で通信経路を確立し、表示しているファイルの転送を実行する。これにより、パソコンとスマートフォンを USB ケーブルで接続したり、Wi-Fi 経由で通信させたりといった手間のかかる作業を行うことなく、ファイルを転送できる。

富士通研、PC からスマホへのファイル転送を画面撮影だけで行う技術、「映像媒介通信技術」を応用
動作原理

このパソコン特定に必要な情報は、同社の開発した映像媒介通信技術を用い、パソコンの画面に重畳して(重ね合わせて)端末側へ伝える。情報の重ね合わせは、画面上の画像に微小な光点を表示させ、その交点の数を制御することで行う。情報をデスクトップ上で重畳するため、転送するオリジナル ファイルに手を加えずにパソコン特定が可能だ。さらに、画面を見ることのできる複数の人へ同時に情報を伝えられる。

画面に IP アドレスなどの情報を目に見えないよう重ね合わせる
画面に IP アドレスなどの情報を
目に見えないよう重ね合わせる

富士通研究所では、この技術が会議中のプレゼン資料ファイル配布、外出時の携帯端末へのデータ転送などの場面で役立つとしている。

利用シーン
利用シーン