米国 Google は2012年6月5日、米国 Quickoffice を買収し、Microsoft に向けて矢を放った。英語の古いことわざにもあるように、ビジネスでは「タイミングがすべて」だ。この買収は、タブレット戦争がヒートアップする直前に行われた。

Google、Quickoffice を買収―BYOD 市場の覇権を賭けて決選の舞台を整える

Quickoffice は、iOS、Android、Symbian 向けのアプリを開発するベンダー。同社のアプリを利用すれば、Microsoft Word 文書、Excel スプレッドシート、PowerPoint プレゼンテーションを、モバイルデバイス上で表示、作成、編集可能になる。

Google は、この Quickoffice を Google Apps に統合するつもりだ。Google のエンジニアリングディレクター Alan Warren 氏は、同社の公式 Blog で次のように述べている。

「一般消費者、企業ユーザー、教育現場は、どこでも、誰でも、どんなデバイスからでも仕事を進めることができるツールとして、Google Apps を利用している。Quickoffice は、広く利用されているファイル形式との相互運用で高い実績を持っており、我々はその技術を Google Apps に取り込むために作業を進めるつもりだ」

Warren 氏のいう「広く利用されているファイル形式」とは、もちろん MS Office のファイル形式のことだ。Google は、MS Office 利用者を Google Apps へと移行させることが目的でこの買収を行ったと考えられる。

Gogle Apps vs. Windows 8

Microsoft のドル箱商品であるにもかかわらず、MS Office は IT で起こりつつある変化への対応が遅れている。その変化とは、パワフルで、コンピュータ作業を十分にこなせるモバイルデバイスの登場だ。この変化は、従来はデスクトップ PC でしかできなかった作業をあらゆる場所で実行可能にし、「BYOD」トレンドを生みだし、企業における IT のルールを書き換えようとしている。

だが Microsoft も、ここにきてやっとモバイルへの対応を真剣に考え始めたようだ。今秋出荷開始がうわさされる Windows 8 搭載タブレットには、タッチパネルでの操作に最適化された MS Office 15 が搭載されるという。これは、企業ユーザーには魅力的なものとなるだろう。

だが、Windwos 8 タブレットが出荷開始になるまでには、まだ時間がある。Google は、この間に Android エコシステムの勢いを増したいと考えている。

Quickoffice の買収と Google App への統合は、Android タブレットと Google Chromebook に、MS Office 環境に侵入する絶好の機会を与えることになるだろう。また、すでに iPad を利用しており、これを捨てて MS Office の利用できる Windows 8 タブレットへと乗り換えるのを嫌う社員の多い企業にも、代替ソリューションを提供可能になる。Quickoffice には、iPad 版もあるからだ。長く噂されている iPad 版の MS Office は、現時点では未だリリースされていない。

Pedro Hernandez は、InternetNews.com の編集者。Twitter のフォローは、@ecoINSITE で。