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”安定”と”挑戦”を両立しながら、『ドラコレ』のネットワークを支える -- KONAMI の人気ソーシャルゲームを支える制作者たち(2)

japan.internet.com 編集部
2012年4月4日 / 10:00
 
 
 
2012年2月時点で550万人が利用している株式会社コナミデジタルエンタテインメントの大人気ソーシャルゲーム『ドラゴンコレクション(ドラコレ)』を支える3人のスペシャリストにお話を伺い、家庭用ゲームやアーケードゲームで数々の人気タイトルを世に送り出し、長年ゲーム業界を牽引してきた同社ならではの考え方や工夫を紹介する。

第1回の廣田竜平氏に続き、第2回となる今回は、『ドラコレ』をはじめとするコナミのデジタルエンタテインメント事業でネットワークインフラの構築・運用をしている同社 スタジオITセンター センター長の正延 光弘氏に、多くのユーザーが楽しむ『ドラコレ』を影で支えるネットワークインフラについて、その努力や工夫を伺う。
株式会社コナミデジタルエンタテインメント スタジオITセンター センター長 正延 光弘氏
株式会社コナミデジタルエンタテインメント
スタジオITセンター センター長 正延 光弘氏

正延氏は、独立系 SI 企業で金融・証券システムの構築に従事した後、2002年4月にコナミ株式会社に入社。アミューズメント施設向けオンラインサービス「e-AMUSEMENT」のシステム構築に参画して以降、KONAMI のオンラインサービス向けシステムの構築・運用全体の統括を行っている。また現在は、KONAMI と通信会社 IIJ が共同で設立した株式会社インターネットレボリューションの執行役員も兼務し、KONAMI のソーシャルゲーム向けシステム構築に注力している。

● 550万人が利用する人気ソーシャルゲームのスタートは、10台のサーバーから

まず、正延氏に『ドラコレ』のネットワークインフラの仕組みについて教えてもらった。『ドラコレ』のネットワーク回線やサーバーは、IIJ が提供するクラウドサービス「IIJ GIO」をベースに『ドラコレ』のために専用に用意したインフラを利用し、クラウド環境の利点を活かしてユーザーの一時的な急増やネットワーク負荷によるトラブルにも対処。安定したネットワーク環境を提供しているという。

正延氏が「最初はスモールスタートだった」と語るように、2010年9月のサービスオープン当時、『ドラコレ』のサーバーはたったの10台だったそうだ。しかし、昨年ゲームは大ブレイクを果たし、ユーザーは急激に増加していく。

「予想以上の反響だった。インフラの増強が追いつかない状況が続いた」と正延氏は振り返る。想像をはるかに超えるユーザー数の増加に、サービス開始前に計画していたことは全てが覆ったという。しかし、運営者として期待して集まるユーザーを裏切ることは決して許されない。ユーザーの期待に応えるために、当時は一心不乱にインフラの増強を進めたそうだ。「時間制約的に厳しい状況でのインフラ増強だったが、システムのスケールアウトは想定してアプリもインフラも設計していたので、作業自体はスムーズに行えた」(正延氏)。

現在は、IIJ と協力して『ドラコレ』のユーザーに安定してゲームを提供するための理想的なインフラを専用に用意し、サービス開始当時の100倍以上の規模で運用しているという。しかし、正延氏は「ソーシャルゲームのユーザーのスピードは従来型のゲームより数倍速い。5分サービスが止まっただけでも、そのリスクは計り知れない。」と気を引き締める。

● ネットワークインフラは、ライフラインと一緒だ

正延氏は、ネットワークインフラを電気や水道と並んで「あって当たり前。なくなると困るものだ」と表現する。いかに安定したインフラを途切れることなく提供し続けることができるかが重要なのだ。しかし一方で、「守り」を徹底しすぎると情報技術の進化のスピードに置いていかれる可能性もある。「安定を維持しながらも、新しい技術には常にチャレンジしていく姿勢が大切だ」(正延氏)。

安定と進化。この二つを両立するためには、サーバーなどの機材の調達や開発・設置運用の「スピード」が重要だ。そのために、同社では外部への委託を最小限にする”自前主義”に徹底的にこだわっているそうだ。「自分たちが常にコントロールできる環境を作ることが重要だ」と正延氏は語る。

また、社内ではソフトウェアである「アプリ」と、ハードウェアである「インフラ」の”壁”を取り払い、全てが一体となって『ドラコレ』というゲームを形成しているという強い意識をもって臨んでいるという。ゲームを企画・開発するチームと、インフラを支えるチーム、この二つが協力して”車の両輪”の役割を果たすことで、はじめてユーザーに楽しさを提供できると考えているのだ。

● 責任がモチベーションになる、”自前主義”の魅力

次に、正延氏に仕事のやりがいや KONAMI の魅力についてお話を伺った。正延氏は、KONAMI の社風である「自前主義」の面白さを挙げる。「全てを自分たちでコントロールし、アイデアや理想を形にすることができる。上司がチームに指図するような社風ではなく、社員が任されているところにやりがいを感じる」。しかし、これは社員ひとり一人が大きな責任を背負って仕事に臨むということでもある。「責任は”成長しよう”という意識にも繋がる。それをモチベーションにできる人にとってはチャレンジングな環境だ」(正延氏)。

そして、エンジニアとしてのやりがいについては、KONAMI の事業領域の幅広さを挙げる。「KONAMI はデジタルエンタテインメントの領域で様々なコンテンツやサービスを展開し、グローバル展開もしている。ソーシャルゲームのみならず、幅広いエンジニアリングに挑戦できる」と正延氏は語る。また、KONAMI は『ドラコレ』のみならず多くのファンを抱える人気コンテンツが多い。多くのユーザーにサービスを提供するための大規模なインフラを数多く展開しており、「他社では体験できないようなスケールのエンジニアリング」(正延氏)にチャレンジすることもできるという。

● インフラ運用にとって、”安定”は目標ではなく”存在意義”


最後に、今後の目標についてお話を伺った。ネットワークインフラの運用管理にとって、「安定運用」「ノートラブル」が目標の全てだと思いがちだが、正延氏はこれを否定する。「”安定”は目標ではなく、私たちの存在意義。これが実現できなければ、私たちは存在する意味を失う」(正延氏)。トラブルなく、インフラを提供し続けることが”当たり前”の業務。まさに”縁の下の力持ち”なのだ。しかし、最近チームはその実績が評価され、社内表彰を受けたという。努力の成果が証明されたのだ。

今後は、KONAMI の事業から生まれる様々な課題やニーズ、新規事業へのチャレンジにインフラ提供の面で応えていくとしている。また、同社の海外展開にも「インフラがなければ事業はスタートアップできない。先んじて整備を進めていく」と意欲を見せる。世の中の技術革新に合わせて挑戦を続けながら、KONAMI のネットワークエンジニアリングをリードしていきたい考えだ。
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